レポート Report

PPは叶わなかったが、明日は4番手から表彰台を目指す

2021年のSUPER GTもこのオートポリスで終盤戦に突入する。2年ぶりに行われるこのオートポリスで、ARTAは何とか復活の狼煙を上げたい。

午前のセッションは福住仁嶺がステアリングを握る。バランスを見ながら走行メニューを消化していくが、なかなか思うようなタイムが出せない。野尻智紀に変わり、一時、トップタイムを記録するものの、他車に塗り替えられ下位に沈んでしまう。チームは予選までにセットを見直し、Q1に福住を送り込んだ。

福住は最初のアタックでトップタイムを記録、セット変更は良い方向に出たようだ。最終的には他車にタイムを塗り替えられるが、4番手でQ1突破に成功した。午前より車は確実に速くなっているようだ。

Q2を走る野尻は、最初にトップタイムを叩き出し、このタイムをターゲットに全車アタックに入る。3台にタイムを塗り替えられ、4位に終わったものの、明日に向けて手応えを感じられる予選だった。


鈴木亜久里監督のコメント

「ウェイトのことなどを考えると、ボク達は非常に有利なところにいるので、残り3戦は全部表彰台を狙って行くつもりだったんだけど、今朝の走行で3戦連続表彰台が遠のいたと思ったね。でも、チームとドライバーが見事な仕事で挽回してくれた。明日は、4番手からのスタートで十分にチャンスがあると思うので、表彰台を獲りに行きます」

ライアン・ディングル エンジニアのコメント

「午前は持ち込みのセットが空力の面でも、メカニカルな面でも外れていたようで、ドライバーのフィードバックもあり、予選までに改善する事が出来ました。今日の#16、#64の速さには届かなかったので、明日に向けて不安な事はまだ沢山ありますが、ドライバーと相談してセットアップを決めていきたいと思います。前の3台の中で1台はレース中にペナルティを受けますし、2台は別のタイヤを履いているので、チャンスはあると思っています」

野尻智紀選手のコメント

「午前中調子が良くなくて、1個1個、自分が感じた感覚を大事にして、車としてはだいぶポテンシャルを上げられたと思います。ポールポジションを狙ってこのオートポリスに乗り込んできたので、悔しさはありますが、優勝に向けては期待感が持てる位置に付けられたと思っています。明日、良いパフォーマンスを発揮出来るように、チームとこれからミーティングします」

福住仁嶺選手のコメント

「今回フリープラクティスからの流れで言うと、調子が良くないところからスタートして、ボク自信もペナルティポイントの関係で残り1時間走れなくて、チームの皆さんにそういうプランを立ててもらいながら不安の中で迎えた予選でした。Q1はまずまずのタイムを出せたと思います。ただボク自信も車のアジャストというところでは上手く出来なかった部分もありました。その後のQ2で、野尻選手が素晴らしいタイムで4番手のポジションを確保してくれました。Q1が通れるか通れないかという状況から始まった中で言うと、まずまずの結果だと思います。でも、ウェイトや燃料リストリクターの事を考えると、トップじゃないといけない立場なので満足出来ませんし、明日何が起こるか分からないので、しっかり対応出来るように頑張ります」

フリー走行で痛恨のクラッシュ、修理は間に合ったがセット詰めきれず、後方からポイントを目指す

午前のセッションは佐藤蓮から走行を開始し、セットの確認を行った。サクセスウェイトは重いものの、バランスは悪く無さそうだ。1時間あまり走行し、高木真一に交代する前に、佐藤は痛恨のクラッシュを喫してしまう。

サスペンションにダメージはなかったものの、フロント周りは破損が大きい。赤旗中断になってしまったが、赤旗解除直後に他の車が止まってしまい、再度赤旗が提示された。そのお陰で、車両をピットまで持ってくる事が出来き、車両の修復は予選開始直前に完了し、何とか予選に間に合わせる事が出来た。

今回もA組、B組に分けられて予選が行われた。 #55 ARTA NSX GT3はA組での出走だ。

Q1を担当する佐藤は無線でメカニックに感謝の言葉を告げて、コースに入っていった。序盤セクタータイムを削って行くものの、他車に塗り替えられ、なかなかタイムを伸ばせない。2周目もプッシュしたが、A組の12番手でセッションは終了し、Q1突破はならなかった。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「普通に行けば、8番以内には入れる手応えがあったからね。今、ロガーデータを見たら、フロントのダウンフォースが出ていないので、車を修復した時にカウリングの建付けが上手く行かなかったんだろうね。修理してアライメントや調整が出来なかったから、それが原因だろうね。明日までにしっかり直して、レースでは1点でも多くポイントが獲れるように頑張ります」

岡島慎太郎エンジニアのコメント

「タイムが出なかった原因は分からないのですが、思っていたよりパフォーマンスを出せませんでした。修復を優先してセットアップの数値を確認する事が出来なかったので、そこに原因があるかも知れないので、明日までに対策を考えます」

高木真一選手のコメント

「午前クラッシュがあって、車が直り切らないというのもあったし、セッティングの詰めが出来なかったのもあって、予選でアンダーステアが出てしまったのだと思います。決勝はNSXが得意なオートポリスなので、後方からでもポイントを獲れるところまで行けると思いますし、何が起こるか分からないコースなので、そこを掻い潜って、しっかりポイントを獲りに行ってチャンピオン争いに残りたいです」

佐藤蓮選手のコメント

「フリープラクティスでクラッシュをしてしまったので、チームに迷惑をかけてしまいました。予選に関してはセットアップをしっかりアジャスト出来なかったので、Q2への進出を逃してしまいました。まだ明日レースがあるので、気持ちを切り替えてポイントを獲得出来るように準備していきます」

「優勝」の二文字をやっとのことで掴み取る!

水曜日に阿蘇山の噴火があったのでレースの開催が心配されたが、何の影響もなく決勝日を迎える事が出来た。今日のオートポリスの気温は低いが朝から快晴だ。

スタートドライバーは福住仁嶺。福住はクリーンなスタートを切り、ポジションをキープしたまま、1コーナーを抜けて行った。6周目からラップダウンの300クラス車両が現れ始めた。そして他車がエンジン交換のペナルティ消化の為にピットイン。ここで福住は3番手に浮上する。

10周目に300クラスの車両がクラッシュし、FCY運用となるが、破損パーツがコース上に散らばっているので翌周にセーフティーカー(SC)が導入された。13周目に隊列の整列の為、メインストレートに車両が一旦ストップする。隊列が整い、SC先導で走行再開。コースコンディションが整い、16周目にリスタート。

スタートが切られた直後にトップを走行していた車両のホイールが外れてしまう。ここで福住は2番手に浮上。しかし、この直後に300クラスの接触があり、2回目のSC導入となった。24周目にリスタートが切られたが、26周目に福住をピットに入れ、野尻智紀に交代。後半を託す。

野尻は5番手でコースに復帰し、翌周には4番手に順位を上げる。他車のピットインもあって更に順位を上げ、トップを争っていた#64がルーティンのピットイン。アウトラップで野尻は#64を抜き去りトップに躍り出る。

このあと、#64と激しいデッドヒートを繰り広げる。野尻は徐々に#64を引き離し、40周目には単独走行となる。その後の野尻のペースは良く、2位に30秒以上の大差を付けて、嬉しい今季初優勝となった。


鈴木亜久里監督のコメント

「やっと勝ててホッとしました。今まで手中に収めていた優勝を何度か逃してきてたから、今回は絶対に優勝しなくちゃいけないという強い気持ちがあって、皆んなが頑張ってくれた結果だね。残りのレースも優勝出来るように頑張ります」

ライアン・ディングル エンジニアのコメント

「優勝出来そうなレースを何度か落としているのでとても嬉しいです。しかし、気を引き締めて次回のレースも勝てるようにしたいと思います」

野尻智紀選手のコメント

「前半を走った仁嶺は、SCも多い中、混乱に巻き込まれず走らせてくれたのは大きいと思います。また、仁嶺はボクが後半走っている最中に車やコースのコンディションなどをアドバイスしてくれたので、それがだいぶ助けになって上手く走らせる事が出来ました。残りは2レースですが、しっかり準備をして全部勝ちに行きます」

福住仁嶺選手のコメント

「SCが多くて難しい前半でしたが、何とか野尻さんにつなぐ事が出来ました。そして野尻さんの力強い素晴らしい走りで何とか勝つことが出来ました。でも、ここまで優勝するチャンスがあったのに、わずかなミスで優勝を逃してしまったので、素直に喜ぶ事は出来ません。次もこのようなレースが出来るようにしっかり準備していきたいと思います」

昨日のセットアップ不足が響いたか、後半バランスが崩れて上位進出できず

スタート前のウォームアップ走行で、トランスポンダー(ラップタイム計測に必要な発信機)に故障があり、出走が危ぶまれたが、ギリギリで装着が出来て、高木真一がスタートを切った。

高木は1周目に20番手までポジションアップ。車のバランスは良さそうで、2周目は更にポジションを上げてきた。8周目に#22がコースアウト、クラッシュし、FCY運用となった。この時点で高木は16番手。しかし、破損パーツが多く、翌周にはセーフティーカーが導入された。SC導入中はどうしてもスロー走行となってしまうが、高木はここでピックアップに悩まされてしまう。

12周目に隊列整列の為にメインストレートでストップ。隊列が整い、再度ローリング走行が開始され、コース上のコンディションが整い、15周目にリスタートが切られた。しかし、500クラスのトップ車両のホイールが外れ、更に300クラスの車両同士の接触があり、2回目のSC導入となる。

チームはここでタイヤ交換だけ行い、SCが終わった後にドライバー交代する作戦に出た。SC中にタイヤを暖められるのと、トップとの差が大きく開かないためだ。高木は23番手でコースに復帰する。

23周目にリスタートが切られたが、翌周に再度ピットインし、佐藤蓮に交代。他車のピットインもあり、佐藤は21番手に浮上。32周目までに17番手までポジションを上げるが、このあたりからグリップが落ちてきてしまう。

佐藤はタイヤを持たせながら走行していたが、40周目のヘアピンでスピンをしてしまい、23番手まで順位を落としてしまう。その後は持ち直し、20番手まで挽回するが、そのままチェッカーとなった。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「前半のスティントで15番手まで上がったので、後半でもっと順位を上げてポイント獲れるかな?と思ったけど、なかなか上手く行かないね。土曜日の朝から歯車が合わなかったかなと思います。しかし、これもレースなので、後半の車を分析して次のレースにつなげたいと思います」

岡島慎太郎エンジニアのコメント

「ロングランの走行が出来なかったので、ウォームアップでセット確認をしました。オーバーの症状が出たので、グリッドでセットを変えました。レースの前半ではペースも良かったのですけど、SCが何回も入ったので、ピットインのタイミングが難しかったです。ロスタイムを減らす方法を取ったのですが、これはまずまず上手く行ったと思います。後半はペースが上がらなかったのですが、何でペースが上がらなかったのかデータを見てもてぎまでに修正したいです」

高木真一選手のコメント

「前半は車の調子が良くて、15位くらいまで順位を上げる事が出来ました。手応えはあったのですが、後半はペースが上がらなかったので、分析しないといけませんね。結構荒れたレースだったので、チャンスがあるかなと思っていたのですが、流れが悪かったと思います。後半はガソリンが減った時の車のバランスを見きれてなかったのかなと思います。車が戻ってきたら解析したいと思います」

佐藤蓮選手のコメント

「序盤の数周はまずまずのバランスで走れていたのですが、途中からバランスが崩れてペースが著しく落ちてしまいました。その状況での争いの中で接触、スピンで順位を落としてしまって、そこからペースを上げて挽回しようとしたのですが、ペースを上げる事が出来ませんでした。次のもてぎに向けてデータを分析していきたいと思います」

Round.6 / 2021