約、1か月のインターバルを終え、SUPER GTは九州オートポリスへやってきた。 ここでのレースは秋晴れで開催されることが多いが、土曜日は朝から強い雨が降り、午前中のセッションはキャンセルとなった。午後も天候が好転する事もなく、中止が発表され、日曜日の朝に30分間の予選が開催されることになった。
今朝も雨は止んだものの霧が出ていて、予選が行えるかどうか心配されたが、時間通り予選が始まった。
ドライバーは松下信治選手。路面は所々濡れており、ウェットタイヤでコースイン。車のバランスを確認しながら走行を続けた。徐々に路面が乾き始め、セッション終盤はドライタイヤに履き替えてタイムアタックを行ったが、コンディションに上手く合わせきれず、11番手で予選を終えた。
今日の午後に決勝が行われるが、チャンスを逃さず、上位を狙いたい。
「セットが決まっていなかったね。下位に沈んでしまったので、残念ではありますが、決勝はまた違うので、前に出られるように頑張ります」
「今日はこのようなコンディションだったので、タイヤのチョイスが難しい中、ノブは頑張ってくれたのですが、車のバランスが良く無くて順位が下位になってしまいました。決勝は挽回出来るように頑張ります」
「順位は良く無くて残念ではありますが、チームの仕事としてはミスなく出来たと思っています。レースは長いので、ミスなくまとめられれば上位も狙えると思っていますので、頑張ります」
「5番手以内に行きたかったんですけど、予選の戦い方にも足りない部分がありました。但し、距離が長いレースでチャンスもあると思うので、気持ちを切り替えて頑張ります」
予選だが、ノックアウト方式ではなく、30分間の予選で行われた。
序盤はウェットコンディションでレインタイヤを装着して出て行った。ドライバーは大津弘樹選手。徐々に路面は乾き始め、ドライタイヤに履き替えてセットの確認を行った。2セット目のドライタイヤでタイムアタックを行った。セクタータイムは良かったがスロー走行をしていたチームメイトの8号車に追いついてしまい、タイムを出し切れなかった。
しかし、6番手のタイムを叩き出し、十分優勝を狙えるポジションを手に入れた。午後の決勝は優勝目指して行きたい。
「2台の車を出すタイミングを誤ってしまった。ミスコミュニケーションだったので、レースでこのような事が起きないようにしないとね。でも、車の状態も良いし、ポジションも悪く無いので、優勝を目指して頑張ります」
「8に引っかかってしまったのに、あのタイムは評価出来る。何とか優勝を狙いたいね」
「車のバランスは良かったのですが、最後のアタックで8号車に引っかかってしまい、ドライバーには申し訳ないと思っています。しかし、車は速さはあるので、決勝に向けて調整して表彰台を狙いたいです」
「ポジションがどんどん変わっていく難しいコンディションでした。スタートしたらレインのコンディションではなかったので、スリックに変えました。2セット使えたので、1セット目で走ってみて上位に入れる感触はありました。もう少し上位に行きたかったのですが、6番手からなので、優勝目指して頑張りたいと思います」
「30分の予選が終了しまして、決勝は6番手でスタートする事になりました。車のポテンシャルは非常に高いのですが、最後のアタックで前の車に引っかかってしまってこの順位になってしまいました。決勝も良さそうなので、表彰台目指して頑張ります」
今朝のオートポリスの気温は非常に低く、時折、口から吐く息が見えるほどだ。チームはスタート前に行われるウォームアップ走行に合わせ、車を準備した。ウォームアップでは、1周通しての計測は行わなかったが、セクタータイムはトップと同じタイムを記録している。車のバランスは良さそうだ。
スタートドライバーは松下信治選手。パレードラップ、フォーメーションラップのあと、スタートは切られた。松下選手はクリーンなスタートを切ったが、1周目の最終コーナー手前でバランスを崩してしまい、最後尾まで順位を落としてしまう。
トップから最後尾まで、全車ほぼ同じラップタイムで周回を重ねていく。前車を抜くにはなかなか難しい状況だ。
22周目に500クラス車両がコースアウトしてしまい、FCYが導入される。FCY中はピットがクローズになり、入ってきてしまうとペナルティを受けてしまう。FCYが出る前にサインボードでルーティンのピットインのサインを出したが、次の周に松下選手がピット入ろうとしたので、無線で入らないように指示を出したが、松下選手はピットに入ってきてしまう。無線トラブルのようだ。チームは作業をせず、そのままコースに復帰させた。
FCYは解除され、SC導入に変わった。車両回収が終わり、28周目にリスタートが切られた。#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTは30周目にルーティンのピットインを行い、野尻智紀選手に交代。アウトラップで無線のチェックを行ったが、車両とピットの無線はつながっていないようだ。野尻選手は14番手でコースに復帰したが、36周目には予選のポジションであった11番手までポジションを戻した。
37周目に500クラス同士の接触があり、1台がコースアウト。SCが導入される。この時点で10番手を走行。
42周目にリスタートが切られた。しかし、先ほどのFCY導入中のピットインに対してペナルティが出てしまい、60秒のピットストップが課せられてしまった。44周目にペナルティを消化し、コースへ復帰。野尻選手は13番手。
61周目に他車がコースアウト。再度、SCが導入される。車両の回収が終わり、67周目にリスタートが切られた。
野尻選手は71周目にルーティンのピットインを行い松下選手に交代。12番手でコースに復帰。
86周目に300クラスの車両がクラッシュ、FCYが導入、その後にSCに切り替わった。車両回収に時間がかかり、SC導入のまま、チェッカーフラッグが降られた。
惜しくもポイント獲得とはならなかったが、終盤の好ペースは次につながるレースになったと言える。
チャンピオン獲得は難しくなったが、残り2レースで良いレース、結果を残したい。
「なかなか上手くいかないね。予選はダメだったけど、決勝に向けた車の仕上がりは良かったのに、結果につながらなかったね。色々な事があったレースだったけど、何かあった時の対処法の引き出しをもっと増やしていかないといけないね。残りのレースはそのような事がないようにしたいね」
「無線のトラブルなんて、滅多に出ない事だけど、出てしまった事をどうこう言ってもしょうがない。無線が壊れた時の対策も考えておかないとね。ペースは悪く無かったから、ドライバーには申し訳ないと思っている。良い経験が出来たと思うので、残りの2レースはしっかり結果にこだわってレースをしたいね」
「無線が序盤からトラブルが出てしまい、ドライバーとコミュニケーションを取る事が出来なくなってしまいました。その影響でFCY中にピットに入ってしまいペナルティを受けてしまうという事態になってしまい、応援して下さっている皆さまには本当に申し訳ないと思っています。レースはうまく戦えませんでしたが、車のスピードはあったので、残りの2戦は自信を持って強気で挑みたいです」
「残念な結果になってしまったのですが、自分のスティントのペースは非常に良かったと思うので、次戦以降諦めずに全力を出して戦っていきたいです。今週末は車のパフォーマンスはあったと思うのですが、それが結果につなげられず、悔しく、フラストレーションも溜まりました。この悔しさをバネにしてチーム一丸となって次のレースを戦いたいと思います」
「無線が壊れてしまったというのもあったのですが、FCY中に間違えてピットに入ってしまい60秒ペナルティを受けてしまったのが、ボクの敗因だったと思います。本当にチームに申し訳ないです。次のもてぎに集中して挽回したいです」
スタート前のウォームアップは、午前の予選を走行しなかった佐藤蓮選手が走行を担当した。佐藤は車のバランスを確かめながらアタックを開始した。バランスは良さそうで、トップタイムをマーク。トラブルもなく、走行を終え、スタートを待った。
スタードライバーは佐藤選手。パレードラップ、フォーメーションラップのあと、スタートは切られた。佐藤選手は1周目を5番手で戻ってきた。18周目に後続車に接触されてしまい、ポジションを7番手まで落としてしまう。
22周目には500クラス車両がコースアウトしてしまい、FCYが導入される。車両回収に時間がかかり、SC導入に変わった。車両回収が終わり、28周目にリスタートが切られた。
佐藤選手は好スタートを切り、前車を抜いた。リスタートのタイミングでルーティンのピットインを行うチームもあり、佐藤選手は5番手に順位を戻した。35周目には暫定でトップに立ったが、翌周にルーティンのピットインを行い、大津弘樹選手に交代。
37周目に500クラス同士の接触があり、1台がコースアウト、SCが導入される。この時点で9番手を走行。
42周目にリスタートが切られたが、大津選手は44周目に大きく順位を落としてしまい12番手を走行。
また、46周目の第2ヘアピンでスピンしてしまう。接触はなく、コースに復帰する事が出来た。
ペースは良く、50周目にはポイント圏内の10番手まで順位を戻した。更に翌周には9番手までポジションを上げる。
前車のペナルティもあり、55周目には8番手に浮上。58周目に2回目のピットインを行った。ドライバー交代は行わず、大津選手が走行を継続。61周目に他車がコースアウト。再度、SCが導入される。この時点でポジションは10番手。車両の回収が終わり、67周目にリスタートが切られた。他車のルーティンのピットインもあり、5番手にポジションを戻したが、72周目にポジションをひとつ落としてしまう。
86周目に300クラスの車両がクラッシュ、FCYが導入、その後にSCに切り替わった。車両回収に時間がかかり、SC導入のままチェッカーフラッグが降られた。
アクシデントが多かったレースの中、トラブルに巻き込まれることなく、6位でレースを終える事が出来た。
残りの2レースで優勝を狙いたい。
「今回はFCYやSCが出てくる場面が多かったね。車のバランスは良くて、表彰台も狙えるようなペースだっただけに悔しい部分もある。でもとても難しいレースだったと思う。そういうレースに勝っていけるように、今回のレースをしっかり分析して、残りの2レースに生かしたいね」
「大津も蓮も良く頑張った。ミスもあったけど、次のレースに向けて期待が持てるような車に仕上がっていたんじゃないかな。結果は悔しいし、残念なところもあるけど、期待を持たせてくれるレースだった。次が楽しみだね」
「ペースは良かったのですが、スピンもありポジションを落としてしまいました。そこから立て直してくれたのですが、順位を上げる事は難しかったです。車は期待出来る状態になってきているので、次のレースは何とか結果につなげたいですね」
「今回2スティント走ったのですが、FCYやSCが多く、とても難しいレースでした。自分は集中力を切らさないように走っていたつもりでしたが、ミスをしてしまい、順位をひとつ落としてしまいました。車は表彰台も狙えるほどバランスが良かったので、それを上手く活かせなかったのが残念ではありますが、残りの2レースに期待が出来ると思っています。まずは次のもてぎに気持ちを切り替えて、結果を残せるように準備を進めます」
「決勝は6位で終了しました。序盤で1台抜いたのですが、前に着いて行くのがやっとでした。後半、SCが入ってからのペースがかなり良くて、ペース的に期待出来ると思っていたのですが、難しい部分もあり順位を上げる事が出来ませんでした。車のバランスも改善すべきところが見えてきたので、次回のもてぎへ向けて準備を進めて行きたいです」
鈴木亜久里監督のコメント
「予想外のポジションになってしまった。ここでつまずく訳にはいかないので、午後の決勝では少しでも多くポイントを獲れるように準備します」