2ヶ月ぶりに開催されるSUPER GT。第4戦は、シーズン折り返しのレースとなるが、ここまで優勝がないので、チャンピオンシップに残るには、ここで何とか結果を出したい。
午前のセッションはまずまずのタイムが出たものの、もうひとつ何かが足りないという状態で予選が開始された。
松下信治選手がQ1を担当し、アタックを開始した。トップとは0.2秒弱で3番手のタイムを叩き出した。
Q2で逆転出来るかはライバル達のタイムにもよるが、トップに立つ為には、少なくとも0.3秒以上は稼ぎたい。
松下選手がQ1で走ったフィーリングを伝え、少しのセット変更を行い、野尻智紀選手がQ2に挑んだ。
野尻選手は2回のタイムアタックを行い、2回目に衝撃のタイムを叩き出した。合算で2番手に0.3秒差をつけてポールポジションを獲得する事に成功した。明日は優勝し、後半戦に向けて弾みをつけたい。
「8号車はセットも決まっているし、ドライバー 2人ともノリノリで来ているので、ポールは行くだろうなと思っていたけど、やっぱりポール獲れましたね。ユーズドで行った野尻が速かったのがちょっとびっくり。まあ失礼なのだけど、本当にユーズドであんなタイム出ないので。でもやっぱりそういう中で野尻があのタイムを出すのは凄いと思いました。しかし、大事なのは明日なので、しっかり結果を出せるようにしたいと思います」
「8 号車は午前中、まあ悪くはなかったんですけど、ポールをこう狙いに行く事を考えると、ちょっと足りないなっていうのもありました。車は軽いからやっぱりポールポジションは欲しいので、予選に向けては結構セット変更してそれも凄く良かったっていうのもあって、やっとポール獲れました。ウェイト軽いので、明日のレースは優位に進められると思うので、このまま優勝したいですね」
「チームは非常にいい車作ってくれましたし、ノブもQ1から素晴らしい的確なフィードバックとドライビングのアドバイスをくれたので自信持って走れました。明日が本番なのでしっかりまとめて優勝したいと思います」
「Q1でポジション3だったんですけど、まあそれよりも速いタイムで野尻選手が帰ってきてくれて、本当に富士の走り方が完璧だと思うので、僕が明日に向けて野尻選手から学べることを学んで、明日 2人で勝ち取りたいと思います」
今回は今までのコンセプトと違ったセットで車両を富士に持ち込んだ。フリー走行では、主に決勝のセットを進め、良い感触を得て、午前のセッションを終えた。
Q1は大津弘樹選手が担当した。アタックを開始したところ、オーバーステアが強く出てしまい、納得行くタイムを出す事は出来なかったが、トップと0.3秒差で5番手に食い込んだ。
操縦性を改善する為に車を少しアジャストし、佐藤蓮選手にQ2を託した。しかし、このアジャストが狙っていた方向に行かず、今度はアンダーステアが出てしまい、合算タイムは10番手で予選を終えた。明日は追い上げられるようにしっかりと準備をしてレースを迎えたい。
「上手く歯車が合わなかったけど、決勝のセットは良さそうだから期待したいね。途中で雨が降る可能性もあるので、その辺も対応出来るように準備しないとね」
「16号車 に関しては大津が行った時はもうオーバーが結構強いっていうので、セットアップを変えて蓮に行かせたら今度はセクター3でもアンダーが強くてかわいそうだったかな。それでまあこういう順位になっちゃいましたけどもね。明日はレース距離が350km で長いので、追い上げればいいと思います」
「今回はコンセプトを変えて持ち込んできたのですが、ちょっとピークが出にくくて、あの予選結果でした。Q2で蓮がちょっと苦戦してしまって、順位的には思っていたよりもかなり下がっちゃいましたけど、明日のレースは結構追い上げできると思うので期待してもらえればと思います」
「今回は違うコンセプトで車を持ち込んだんですけど、フリー走行で色々セッティングをしながら車を作っていったのですが、Q1も自分の感触ではもう少し行けたなっていう手応えがあったんですけど、あまりタイムを出しきれなくて 5 番手で終わってしまいました。Q2に向けてちょっとアジャストしたいところとか、ユーズドタイヤに合わせて蓮選手に託したんですけど、コンディションもちょっと変わったことで、8 号車のタイムが上がった中、僕たちは大幅にタイムを落としてしまいました。ちょっとまだ解析しなきゃいけないこと。が多くあるので、そこはチームに任せて、明日しっかりと追い上げられるように頑張りたいと思います」
「本日の予選は総合 10 番手ですか?Q2に向けてやったアジャストが逆方向に行ってしまって、すごく乗りづらいバランスとなってしまってタイムを伸ばすことができなかったのですが、明日の決勝に向けて、ロングはいいバランスで走ることができているので、追い上げのレースにしたいと思います」
ウォームアップ走行はいつものように決勝のセットアップを確認し、スタートを待った。パレードラップとフォーメーションラップのあと、スタートが切られた。スタートドライバーは野尻智紀選手。
スタートは上手く行き、1周目をトップで戻ってきた。ペースは良く、じわじわと2番手との差を広げて行った。
5周目から、300クラスの周回遅れが出始めるが、野尻選手のペースは安定していて、15周目で2番手に3秒以上のギャップを築いた。
28周目に300クラスの車両が止まり、FCYが導入される。この時点で、2番手とのギャップは12秒。翌周に解除され、リスタート。
34周目にルーティンのピットインを行い、松下信治選手に交代。4番手でコースに復帰。
41周目には全車がピットインを終え、トップに復帰。しかし、2番手の車両のペースが速く、45周目には背後に付かれてしまう。松下選手は集中力を切らさず走行を続けトップを死守。#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTが今季初優勝を飾った。また、今季デビューしたCIVIC TYPE R-GTの初優勝でもあった。
次回の鈴鹿はサクセスウェイトが積まれるが、上位に食い込めるよう、今から準備を進めて行きたい。
「ようやく優勝出来ました。応援して下さった皆さま、ありがとうございました。ペースは終始良かったんだけど、途中ライバルに迫られて抜かれそうだったけど、ノブがしっかりポジションをキープしてくれて何とか勝てました。次回も結果を出せるように頑張ります」
「 ポールトゥウィンでトップを譲らずに優勝できたのが良かったんですけれども、途中、2番手の車が背後まで迫ってきたので、ちょっと焦りましたが、ドライバーが踏ん張ってくれて何とか優勝出来ました。ありがとうございました」
「いやー、ほんと良かったです。レースが始まると 100 号車も追い上げてきたのですが、みんな落ち着いてレースをやってくれて、スタッフも完璧でした。でもほんと今回勝てて良かったです」
「僕はスタートからなんとかリードを広げる事が出来たんですけど、松下選手に代わってまあちょっと苦しい時間帯もあったかと思うんですけど、しっかり粘りきって、最後は差を広げてくれたんで、もう会心の勝利だったかなと思います。また次も頑張ります」
「今回僕がセカンドスティントをやって、最初のスティントで智紀がかなり 7 秒 6 秒 8 秒くらいですかね?ギャップを作ってくれたので、スティントの最初の入り口が結構イージーというか、まあ落ち着いていこうという感じだったんですけど、まちょっと 100 号車のペースが最初速くて、おっと、と思ったんですが、中盤以降ペースをパチッと上げて、そしたらそれにちゃんとタイヤも車もついてきてくれたんで良かったです。最後はマネージしながら強いレースができたと思います」
スタートドライバーは大津弘樹選手。順位をキープしたまま周回を重ねる。スタート直後から、エンジンの不調を無線で訴えてきた。車のバランスは良かったが、前車を抜くには難しい状況で、ポジションをキープしたまま10番手の走行が続いた。
28周目に300クラスの車両が止まってしまい、FCYが導入される。順位は10番手をキープ。翌周に解除され、リスタート。
31周目にルーティンのピットインを行い、佐藤蓮選手に後半を託す。ポジションはこの時点で14番手。
41周目には全車がピットインを終えたが、1台にアンダーカットされてしまい11番手を走行。
序盤はペースが良かったが、40周を過ぎたあたりからペースが上がらず、なかなか前車との差を縮める事が出来ない。しかし、前車のペースが落ち始め、61周目には10番手にポジションを戻す事に成功。
その後、11番手の車がハイペースで追い上げてきて、最後は11位まで順位を落として、レースを終えた。
惜しくもポイント獲得を逃してしまったが、トラブルの原因を突き止めて、次回のレースに生かしたい。
「ストレートスピードが伸びないのは、レース前のウォームアップでは症状が出なかったんだけど、決勝で出てしまったので、原因を究明しないとね。ポイントは獲れると思っていたので、残念だね」
「気温が高い時にストレートスピードが伸びなくて、ドライバーがちょっと可哀想でした。セットアップを 見直して鈴鹿で優勝を目指したいと思います」
「16 号車はレースのペースを期待していたんですけど、思ったように行かなかったですね。その今回作り込んできたこのコンセプトが思ったように走れなかったので、これもう 1 回見直して次のレースに挑みたいと思います」
「10 位からスタートだったんで、ちょっと追い上げを狙って色々セッティングとか調整してたんですけど、まあいざ決勝が始まると僕のスティントではなぜか他車よりもエンジンスピードが遅くて、原因がわかんないですけど、オーバーテイクが全然できなくて順位キープの状態で蓮に渡したんですけど、蓮も後半になってくるとタイヤが摩耗してきて、ちょっとペースが悪くて、最後抜かれてしまって 11 位でゴールしてポイント取れなかったのも残念だし、もうちょっといいレースできるかなと期待してたので悔しいんですけど、今週通してちょっと波が多かったので、その悪かった時が何が起きたのかっていうのを解析して、次の鈴鹿では優勝できるように頑張りたいと思います」
「今回の富士大会は今までと大幅に変更したコンセプトで挑んだんですけれども、それが予選決勝とも振るわず、決勝でもペースに苦しむ結果となってしまいました。このデータも参考にはなっていくと思うので、次回の鈴鹿に向けては重量も軽いですし、必勝体制で準備を進めていきたいと思います」
鈴木亜久里監督のコメント
「やっとポールが獲れたね。しかし、大切なのは明日なので、ここで絶対に勝っておきたいので、しっかりと準備をして、優勝したいと思います」