レポート Report

Q2進出でP6ゲットも、気を引き締めて有終の美を飾りたい

秋晴れの中、モビリティリゾートもてぎで最終戦が始まった。#8 ARTA NSX-GTは第2戦で優勝しているものの、チャンピオンの可能性は無い。しかし、今シーズン最後のレースを良い結果で締めくくるべく、チームは士気を高めていった。

午前のセッションは持ち込みのセットの方向性もよく、少しずつアジャストしながら予選へ向けて車を作って行った。

Q1は野尻智紀選手がアタックを務めた。野尻選手は先週、2年連続でSUPER FORMULAのチャンピオンを決め、自身のコンディションも良さそうだ。野尻選手は順調にタイムを伸ばし、6番手でQ2進出を決めた。

Q2を務めたのは福住仁嶺選手。福住選手は早めにコースに入り、しっかりとタイヤに熱を入れてからアタックに入って行った。結果はQ1と同じ6番手のタイムを叩き出した。

ポールポジションを獲得した車とのタイム差が大きかったものの、決勝では十分表彰台を狙えるポジションなので、明日は有終の美を飾れるようなレースをお魅せしたい。


鈴木亜久里監督のコメント

「まずはQ2まで行けたのは良かったけど、トップとの差が開きすぎているので、そこが気になったけど、決勝はまた違うから今シーズン最後のレースはキッチリと良い結果で締めくくりたいね」

伊与木仁エンジニアのコメント

「朝から調子が悪い感じではなかったのですが、Q2まで行けたものの、終わってみたらトップとの差が大きすぎるので、その差が何なのかを良く考えたいと思います。決勝は別物なので、気持ちを切り替えて良い結果を出せるように頑張ります」

野尻智紀選手のコメント

「午前の走行から一歩一歩セットアップを詰め、Q2に進めたのは良かったのですが、パフォーマンスを上げきれなかったところもあるので、明日の決勝でもっとパフォーマンスを発揮出来るように準備していきたいと思います」

福住仁嶺選手のコメント

「Q2まで行き6番手のタイムを出せましたが、周りと比べると思ったよりもタイムが出せませんでした。車のパフォーマンス不足というのもありますが、自分の走りも上手く出来ていないところもあるので、悩んでしまうところもありますが、明日は今シーズン最後のレースなので、気持ちを切り替えてしっかり準備していきたいと思います」

武藤選手がQ1を3位で、木村選手が見事にPPでコースレコード

ついに迎えた最終戦。今シーズンは車両トラブルも多く、なかなか思うような結果を残せていなかった。最終戦は何とか良い結果で終われるようにチームは準備万端でサーキット入りした。

午前のセッションは走り出しから車のバランスは良く、順位は9番手だったが、上位を狙える手応えがありそうだ。

Q1は久しぶりに武藤英紀選手がアタックを行った。武藤選手はAグループで見事3番手のタイムを叩き出し、木村偉織選手につないだ。

Q2は木村選手がタイヤを暖めてアタックに入るタイミングで他車が最終コーナー立ち上がりでクラッシュ。ここで赤旗中断となってしまう。一度、熱を入れたタイヤで良いタイムを出すのは難しいと言われているが、木村選手は見事なアタックで、コースレコードを記録してポールポジションを獲得した。

今シーズンは予選で苦戦してきたが、2人のドライバーは見事なアタックを披露した。明日が肝心なので、今シーズン最後のレースを勝って締めくくりたい。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「最後の最後でポール獲ってコースレコードっていうのは嬉しいね。武藤がQ1でしっかりタイムを出してくれたのも大きいね。偉織が速いのは分かっていたのだけど、ここにきて強さとか上手さが身について、この1年で凄く成長したと思う。明日は行くだけ行かせます」

岡島慎太郎エンジニアのコメント

「今日の走り出しはバランスが取れていない部分があったのですが、セッション中に改善する事が出来ました。FPは9番手でしたが、悲観するような結果ではなかったと思います。今回の予選は武藤さんにQ1をお願いしました。車のパフォーマンスを出し切ってくれて3番手でQ2に進める事が出来ました。偉織はコースレコードを塗り替える走りでポールポジションを獲得してくれました。偉織も武藤さんのフィードバックを聞いて自分なりにドライビングもアジャストしてくれたと思いますし、何より良かったのはQ2で他車のアクシデントで赤旗中断になったにも関わらず、ルーキーの偉織はしっかりとタイムを出してくれたので、彼に助けられた部分もあると思います。明日はポールスタートなので、戦略的には色々なパターンは考えているものの、逃げ切って優勝出来るように頑張りたいです」

武藤英紀選手のコメント

「悪く無いアタックだったと思います。車の状態も非常に良かったし、Q2に向けて車の方向性も示せたのも良かったと思っています。Q2の木村は神がかったアタックでしたし、赤旗後は自分達にとってはタイヤに熱を入れるのが難しかったのですが、ピットで待機している間も余熱のお陰でタイヤの温度が下がりにくかったので、それは我々にとっては良い流れになったのだと思います。チームも本当に素晴らしい車を用意してくれて、最終戦でポールを獲れて本当に嬉しいです。明日は前に誰もいないですし、決勝のシミュレーションは悪く無いので、良い結果を出せると思います。精一杯やります」

木村偉織選手のコメント

「ARTAの一員としてここに居て、ポールを獲れて凄く嬉しいですし、更にコースレコードも獲れて長くARTAの名前も残せて少しではありますが、チームに貢献出来たと思っています。明日は前からのスタートでぶっちぎって優勝したいです」

序盤の接触で結果は出ずも、来年につながる走りができた

秋晴れのモビリティリゾートもてぎは少し汗ばむほどの気温で、各チームのタイヤの硬さによっては予想外の結果を招くかも知れない。

フォーメーションラップ2周のあとスタートが切られた。スタートは野尻智紀選手。1台を抜いて5番手で走行していたが、5コーナーで前車をアウト側から抜きにかかったが、内側の車がハーフスピンをして接触してしまう。野尻選手は押し出されるようにスピンを喫してしまい最後尾まで落ちてしまう。

接触した車は8周目にドライブスルーペナルティを受け、更にその周の3コーナーで500クラスと300クラスの多重クラッシュがあり、野尻はポイント圏内の10番手までポジションアップ。FCYが導入されるが、直後にセーフティーカーが導入される。セーフティーカー導入中の14周目にメインストレートで300クラスが接触してしまい、セーフティーカーの導入が延長された。事故処理に時間がかかり、20周目にレースが再開。

22周目にルーティンのピットインを行い、福住仁嶺選手に交代。11番手でコースに復帰。25周目には10番手にポジションを上げる。

39周目の5コーナー立ち上がりでひとつ順位をおとしてしまうが、45周目に10番手、53周目に9番手とじわじわポジションを上げて行く。

終盤の59周目に前車を抜いて8番手にポジションアップ。そのまま最後まで走り切り8位でチェッカーを受けた。


鈴木亜久里監督のコメント

「1周目の接触が痛かったね。でもレースなので仕方ないけど、レースの内容が良かっただけに悔しさもあるね。今年はなかなか良い結果につながらなかったので、この悔しさは来年取り返すよ。応援して下さったファンの皆さま、ご支援下さったご協賛企業の皆さま、今年も本当にありがとうございました。来年は強くなって帰ってきますので、来年もどうぞ宜しくお願いします」

伊与木仁エンジニアのコメント

「スタートで順位をひとつ上げて更にもうひとつポジションを上げられるかと思ったら接触しちゃいました。相手がブレーキをロックさせて当たってきてしまった感じでしたが、順位は最後尾まで落ちてしまいましたが、幸いダメージが無かったので、レースを続けることが出来ました。後半の仁嶺も順位を上げてくれて結果的には8位でポイントを獲れました。数字で言うと良くない順位ですが、レース内容としては評価出来ると思います」

野尻智紀選手のコメント

「レースとしては序盤に接触があって残念な結果になってしまいましたが、自分の中ではしっかり順位を挽回するつもりで、ぎりぎりのところまで攻めて走ったし、自分としては思っていたような姿勢でレースは出来ましたが、結果につながらなかったのは残念です。あとは、結果から分かるように、これが今の僕達の力なので、今後に向けてどうやって力をつけていけるか考えていければと思います。応援して下さったファンの方々、スポンサーさん、今年もありがとうございました。良い結果をお届けすることが出来ませんでしたが、来年は最後までチャンピオン争いに加わり、結果を残せるように準備していきたいと思っています」

福住仁嶺選手のコメント

「今回、久しぶりに後半を走りました。序盤、接触されてしまって順位を落としてしまいましたが、周りの展開にも恵まれました。自分のスティントの前半ではなかなか前の車を抜くことが出来ず、そこでだいぶ時間を使ってしまいました。後半は3台ほど抜くことができましたが、もっと自分に実力があれば、更に前に行けたと思いますし、その中でもしっかりポイントもデータも取れて、来年につながる走りが出来たと思います。そして今年も応援して下さいましたファンの皆さま、スポンサーの皆さま、本当にありがとうございました。来年もどうぞ宜しくお願いします」

今期初の表彰台が初優勝! ドライバーとチームの連携で有終の美を飾る!

スタートドライバーは木村偉織選手。スタートは出遅れてしまったが、2番手をキープしたまま周回を重ねる。

7周目に3コーナーで500クラスと300クラスの多重クラッシュがあり、FCY、セーフティーカーが導入される。

木村選手は2番手をキープ。

セーフティーカー導入中の14周目にメインストレートで300クラス同士の車両が接触してしまい、セーフティーカーの導入が延長される。事故処理に時間がかかり、20周目にレースが再開される。

途中、トップの車両がルーティンのピットインを行いトップに立つが、35周目にルーティンのピットイン。武藤英紀選手に代わり、6番手でコースに復帰。他車のピットインもあり、38周目には再びトップに立つ。

武藤選手はトップをキープしながら周回を重ねるが、徐々にタイヤのグリップが落ち始め、2番手の車に徐々に差を縮められてしまう。武藤選手はピットからの指示を受けながら、タイヤマネージメントを行い、何とかペースを取り戻し、2番手との差を広げる事に成功。終盤は危なげない走りで今季初優勝を果たした。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「ハラハラドキドキしたね。終盤、2番手の車のペースが速くて、武藤のペースがあがらなかったけど、タイヤの使い方を変えて、何とかペースを上げて走った武藤は素晴らしかった。偉織も前半のペースがとても良かったので、この優勝につながったと思います。最後の最後で勝てたのは本当に嬉しい。ファンの皆さま、スポンサーの皆さま、本当にありがとうございました」

岡島慎太郎エンジニアのコメント

「スタートでひとつ順位を落として、展開が難しくなると思いましたが、SCが入ってレースが混乱状態になった中でエンジニアとドライバーでコミュニケーションとって、最適な戦略を選べたと思います。元々のプランとだいぶ変えていきましたが、戦略として成立しました。後半のタイヤはコンパウンドを変えて行ったのですが、バランスが苦しい中、何とかポジションをキープしてくれて本当に優勝出来て良かったです。1stスティントも偉織がしっかりと走っていた事も大事なポイントでした」

武藤英紀選手のコメント

「ポール獲れた時に流れがきていると思っていましたし、木村もずっとペース安定していたし、最後は路面温度的にタイヤのチョイスは悩みましたが、チームと話し合った作戦が良かったですね。終始安定したペースで走れて今季初表彰台が優勝というのも嬉しいです。応援して下さった皆様、本当にありがとうございました」

木村偉織選手のコメント

「戦略も良くて、車も良くて、今日は自分のドライビングも良かったと思いますし、皆が皆100点の仕事が出来たと思っています。いやー、本当に嬉しいです。今年はなかなか結果が出せず、応援して下さった皆様には本当に申し訳ない気持ちでしたが、最後に勝てて本当に良かったです。ありがとうございました」

Round.8 / 2022