レポート Report

Q2に届かずも、マシンの性能フルに引き出し明日に期待

開幕戦で優勝し、幸先良いシリーズのスタートを切ったARTA NSX-GTだが、第1戦はレースが途中で中止になったため、獲得ポイントは半分の10ポイントとなった。ハンディウェイトも第6戦までポイント☓2kgなので、20kgのウェイトを積んで第2戦の富士に乗り込んだ。

開幕戦と打って変わってここ富士は晴天でセッションが始まった。午前中は上着を脱ぎたくなるような暖かさだ。伊沢拓也が最初に乗り込み車のセッティングの確認を行いながら、予選で使うタイヤのチョイスを行った。バランスは良さそうだ。Q1を担当する野尻智紀も車に乗り込み、セットの確認を行いながら午前のセッションを終えた。

午後に入ると徐々に気温も下がり始め、路面コンディション変化への対応が鍵となりそうだ。野尻はタイムアタックのタイミングを見計らいながらタイヤに熱を入れていき、前後との間隔を取れたところでタイムアタックに入った。タイム的にはトップと1秒以内の好タイムだったが、10番手でQ1を終え、惜しくもQ2進出はならなかった。

明日はシリーズで2番目に長い距離のレースなので、上位進出を賭けて挑みたい。


鈴木亜久里監督のコメント

「午前のセッションでは決して良いタイムは出なかったけど、バランス的には悪くなかった。Q2進出はならなかったけど、野尻は目一杯車のパフォーマンスを引き出したし、トップとのタイム差もそれほど大きい訳ではないので、明日は徐々に順位を上げられるように作戦を組みたいね」

星学文エンジニアのコメント

「走り出しは伊沢選手に確認してもらって、バランスも良さそうでした。その後はタイヤの比較や選択を行い、野尻選手にもいくつかのセットで乗ってもらいました。予選は20kgのウェイトハンディやミッドシップハンディもあるので厳しい戦いになると思っていました。Q1では8位の車と0.1秒差ぐらいだったので、もう一工夫あればQ2へ行けたかも知れませんが、バランスは悪くないですし、明日は距離の長いレースなので、分析してレースの準備をしていきたいです」

野尻智紀選手のコメント

「アタック自体は大きなミスも無く走れたと思います。ウェイトを他より多く積んでいるという影響が多少はあったと思うものの、この順位は嬉しいものでは無いので明日は絶対に挽回出来るような良いレースをしたいです」

伊沢拓也選手のコメント

「ボク達のハンディキャップを考慮すると非常に難しい状況の中、野尻選手はこのコンディションで車のパフォーマンスをフルに引き出してくれて、ミスも無く予選を走ってくれたと思います。順位は10番手ですが、それほど悲観するような内容では無いと思っていますので、明日は追い上げのレースをしたいと思っています」

予選7番手だが、ロングランのデータを活かして上位を狙う

ARTA NSX GT3は開幕のデビューレースでいきなりポールポジションを獲得し、完成度の高さを見せつけた。決勝では雨の走行が初めてだったのでライバルに先行を許してしまったが、2位表彰台を獲得する事に成功した。

午前のセッションでは好調さをキープ。1番手でセッションを終えたが、セッション中に気温が徐々にあがり、セットアップに少々苦しむ場面もあった。

迎えた予選はルーキーの福住仁嶺がステアリングを握りQ1へ挑んだ。午後は気温が下がり、路面コンディション、操縦性が変わったようだ。福住はアンダーステアの症状が出始めた車を何とかコントロールし、Q1を6番手で終え、Q2進出を決めた。

Q2は高木真一がアタック。福住の症状を聞いて車を微調整して多少は改善されたが、順位を上げる事は難しく、7番手で予選を終えた。しかし、長距離の車のセットは非常に良いので、明日は順位を上げていき、上位でチェッカーを受けたい。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「明日は500kmという長丁場なので、焦らず少しずつ順位を上げて表彰台に登りたいと思っています」

一瀬俊浩エンジニアのコメント

「岡山のレースではパフォーマンスが良かったので、富士のテストのセットをミックスして持ち込みました。走り出しからバランス自体は悪くなかったが、気温が高くなるに連れてパフォーマンスが失われる傾向がありました。予選に向けて微調整したのですが、あまり変わりませんでした。Q1は良いポジションにいたので、上位を狙えると思いましたが、Q2では他に比べタイムの上がり幅が少なくて路面の変化に対応しきれませんでした。明日は長距離レースなので、上位を狙えると思いますし、ロングランのセットは確認出来ているので分析をやり直して準備します」

高木真一選手のコメント

「車は調子良かったのですが、予選では気温も下がったせいかフロントタイヤが暖まりにくく、苦戦しました。仁嶺の時もほんのちょっとだけアンダーステアと言っていたので、アジャストしたのですが、ちょっと足りなかった感じがします。明日は天候も変わりやすいようですが、前回雨も走れたので、どんな天候でも対応出来ると思っていますので、準備して上位でチェッカーを受けたいです」

福住仁嶺選手のコメント

「Q1を担当させていただきましたが、何とか6番手のタイムを出す事が出来ました。しかし、車のフィーリングをもう少し的確にチームや高木さんに伝える事が出来ればQ2で順位を上げる事が出来たのでは無いかと思っています。そのような事をもっと上手く出来るようにやっていかなければならないと思っています。まずは明日のレースをしっかり戦って結果を残したいと思います」

SC中のスピンで順位落とすが実のあるレースに

決勝日午前中の天気は良かったが、午後は雷雨の予報が出ていた。午前の晴れ模様を見ていると、午後に雨が降る事を想像出来なかったが、ウォームアップ走行中から徐々に雲が広がり気温も下がってきた。

スタートを待っている間に徐々に雨が降り始め、雨足も強まってきたのでグリッド上でレインタイヤへ交換し、スタートを待った。スタートドライバーは伊沢拓也。

パレードラップは中止され、セーフティーカー先導によるスタートとなった。2周を周ったところでスタートが切られた。スタート直後は順位をキープし、様子を見ていた伊沢だったが、5周目までに6番手まで順位を上げる事に成功。雨での車のバランスは良さそうだ。7周目には雷が鳴り始め、雨も徐々に強くなっていった。

12周目には再度セーフティーカーが導入されたが、伊沢は視界が悪いところで水溜りに乗ってしまい、ポジションを落としてしまう。セーフティーカー導入中に他車も数台スピンしてしまい、ここで赤旗中断となった。

約30分の中断のあとセーフティーカー先導のもと、再スタートが切られた。赤旗中断中は基本的には車への作業は禁止となっているが、車内のウインドウの内側の曇りを除去する作業は許可が出たが、走行が開始されるまでにウインドウは再度曇ってしまい、前方が見えないコンディションで18周目にリスタートが切られた。

走るに連れてウインドウの曇りは取れたが、先ほどのスピンでドライブスルーペナルティーを課せられてしまい、順位を落としてしまった。伊沢はその後、順位を挽回すべく、速いペースで前車を追った。非常に速いラップで、39周目には11番手までポジションを回復する事に成功した。40周目あたりから徐々にルーティンのピットインを始めるチームが出てきて、41周目には6番手までポジションを上げ、42周目に伊沢はドライバー交代のためにピットインを行った。

この頃には雨はあがっており、野尻智紀はドライタイヤを履いてコースイン。13番手で復帰する。車のバランスは良さそうで、野尻はハイペースで周回を重ね77周目には5番手までポジションを上げた。

80周目で再度伊沢に交代し、残りの周回を託した。伊沢は9番手でコースに復帰し、安定した速いペースで周回を重ねたが、そのまま9位でチェッカーを受けた。

序盤、最後尾まで順位を落としたものの車のパフォーマンスを最大限に引き出し、貴重なポイントを獲得する事に成功した。


鈴木亜久里監督のコメント

「雨が強くなった時は開幕戦と同じような事が起こるのでは無いかと心配したけど、競技団の冷静な判断があったことと、天候が回復したので、見応えのあるレースになったのは良かった。非常に難しいコンディションだったので順位を落としてしまったけど、次につながるレースが出来たと思う」

星学文エンジニアのコメント

「ウェットスタートになりましたが、我々の車はグリップもよくパフォーマンスも高かったので、順位も順調に上げて行く事が出来ました。赤旗が出るまえにスピンしてしまって、それでペナルティを受けてしまったのが痛かったですが、ウェットもドライも車のパフォーマンスが高かったので良かったと思っています。しかし、最後のスティントでピックアップが出てしまったので、それを分析して、次回のレースに生かしたいですね」

野尻智紀選手のコメント

「コンディションが目まぐるしく変わる難しいレースでしたが、今ボク達が出来る事が結果に現れていると思うので、今回の事をしっかり反省、分析しながら、次回のレースに生かしたいと思います。次回は昨年優勝している鈴鹿なので、自信を持って挑みたいです」

伊沢拓也選手のコメント

「スタートと最後のスティントを担当しましたが、何より、SC中にスピンしてペナルティを取られた事は大きかったと思います。ウェットでの状態は良かったのですが、最後のドライのスティントではピックアップの症状が出てしまったので、自分としては良いところが出せないレースとなってしまいましたが、次回は挽回出来るように準備をしていきます」

タイヤのパフォーマンスでマシンの性能引き出し2戦連続2位表彰台

7番手からのスタートではあったが、ARTA NSX GT3はレースセッティングが決まっていたので、トラブルに巻き込まれなければ、順位を挽回出来るとチームは自信を持って挑んだ。

スタート直前に雨足が強まり、セーフティーカー先導のスタートとなった。2周目にセーフティーカーが外れ、いよいよスタートが切られた。序盤はタイヤに熱が入りづらく、高木は苦戦したが、順位を落とす事なく周回を重ね、6周目にはひとつポジションを上げた。8周目には更にポジションを上げて5番手、更にコカ・コーラコーナーで3番手までポジションを上げた。車のバランスは良さそうだ。

しかし、雨足が強くなり12周目にまたセーフティーカーが導入されてしまう。15周目には赤旗中断になり、約30分後に再スタートが切られた。セーフティーカー先導のスタートだったが、1周でセーフティーカーは外れ、リスタートが切られたが、高木は1コーナーで走行ラインから外れて順位をひとつ落としてしまった。タイヤの暖まりが良くなくて、22周目までに6番手までドロップしてしまう。

しかし、タイヤが暖まり始めてからは徐々にペースがあがり、37周目に福住仁嶺に交代するまでに3番手までポジションを回復した。

福住はドライタイヤでコースイン。12番手で復帰し、速いペースで43周目までに5番手まで順位を回復。62周目までに4番手までポジションを上げて、71周目に高木に交代した。

タイヤのコンディションも非常に良かったので、チームはタイヤ無交換作戦を取り、高木は給油だけでコースに復帰した。作戦は功を奏し、82周目には2番手までポジションを上げた。

終盤はトップの#10より速いペースで追い上げ最終ラップは背後まで迫ったが、開幕戦に続いて2戦連続で2位でチェッカーを受ける事に成功した。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「ブリヂストンのおかげでこのような結果を得られたと思っています。そして真一も仁嶺も難しいコンディションの中、車のパフォーマンスを最大限に引き出してくれたし、チームも良い車を作ってくれて、2戦連続2位を獲れたと思います。みんなに感謝したいね。ありがとう!」

一瀬俊浩エンジニアのコメント

「予選の結果があまり良くなかったので、決勝はテストの結果を参考にしました。レースは雨の可能性もあったので、バランスを取るセットに変更しました。ウェットでは非常に良かったのですが、ドライではタイヤのウォームアップという観点では厳しかったのですが、ブリヂストンタイヤのライフが凄く良かったので、タイヤ無交換作戦を取りました。結果、この順位を得る事が出来たと思っています。多分、終盤高木さんはグリップを維持させるのが相当難しかったと思いますが、何とか良い結果に導いてくれたと思います」

高木真一選手のコメント

「最初はレインタイヤで3番手まで上げる事が出来ましたが、コンディションが変わると、良いところも悪いところもありましたが、長いレースなのでじっくりとチャンスが来るのを待っていました。タイヤ無交換作戦を取りましたが、本当は予定していなかったのですが、仁嶺が上手く走って順位を上げてくれたので、その作戦も成功して表彰台につながったと思います。このようなレースが出来たのはブリヂストンタイヤのおかげですし、チームも良い車を作ってくれたので感謝しています」

福住仁嶺選手のコメント

「第2スティントを担当しました。タイヤはドライタイヤを履いて出ていったのですが、路面はまだ所々濡れていて、コントロールするのが難しかったですが、そこを上手くまとめて前とのギャップを詰めて何台か抜くことが出来ました。その後、高木さんが良いレースをしてくれて、優勝は出来ませんでしたが、とても良い週末になったと思っています」