今年の#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTは昨年と同じドライバーで野尻智紀選手と松下信治選手の組み合わせになる。お互いの理解が更に深まった2年目のコンビネーションが楽しみだ。
GT500クラスで使用されているモノコックは3メーカー共通のものを使っているが、3年に1回新しいモノコックに変更され、今年はその交換の年で全車が新しくなる。
午前のフリー走行は、松下選手がドライブしている途中で、エンジンが吹け上がらない症状が出てしまい、ピットイン。チェックをしたところ、排気系にトラブルが発生。セッティングを進める事が出来ず、フリー走行を終えてしまう。
予選に向けてメカニックが修復し、何とか午後の予選に間に合わせる事が出来た。
今年の予選はノックアウト方式が復活し、Q1は野尻選手、Q2は松下選手が担当する事になった。
午前のセッションでセッティングを出せていないので非常に厳しい予選を迎える事になった。
野尻選手はセットが決まっていない車で何とかQ2進出を狙ったが、12位のタイムを出すのが精一杯だった。
12位でQ2進出を逃してしまった。
明日はコンディションが今日とは違い、チャンスもあると思うので、1ポイントでも多くポイントを獲得出来るレースにしたい。
「朝の走行でトラブルが出てしまってパワーが出なくなってしまい、全然セットが進められなかった。野尻にこのセッションでニュータイヤを履かせて走らせてあげる機会が無かったのが残念。何も出来ずに予選を終えてしまいましたが、明日はチャンスがあると思いますので、ポイントはしっかりと獲って帰りたいと思います」
「持ち込みのセットが予想外だったので、16を参考に合わせて行こうとしたのですが、排気系のトラブルで走れなかったのが予選に影響してしまいました。また、午前中に野尻がニュータイヤでアタック出来ていなかった影響もあり、Q2進出が出来ませんでした。明日はポイントを獲得出来るように頑張ります」
「フリー走行はトラブルがあってセッションをうまく進められませんでした。予選では車のピークを出し切る事が出来ませんでしたが、明日は雨の予報で、今日とは違うコンディションのレースになるのでまだまだチャンスはあると思っています。諦めずに集中していきます」
「シーズン前にテストを重ねてきたのですが、FPで思わぬトラブルが出てしまい、Q1に野尻選手が行ったのですが、走行データも殆ど無い中で難しい展開だったと思います。でも明日は雨なので、生き残る強いレースをして、確実にポイントを獲って次回につながるレースにしたいと思っています」
今季の#16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTの組み合わせは昨年と同じ大津弘樹選手と佐藤蓮選手だ。安定の大津選手と、若手有望の佐藤選手の2年目のパフォーマンスが楽しみだ。
また、今年は和光ケミカル様を新たなパートナーに迎え入れ、ARTAでは初めてとなるブルーを基調としたカラーリングとなった。気持ちを新たにチャンピオンを目指したい。
午前のセッションは走り出しから好調で、2番手のタイムをマーク。予選の結果が期待された。
ノックアウト方式が復活した予選でQ1は大津選手。10分のセッションで残り時間8分でコースイン。しっかりとタイヤを暖めてタイムアタックへ入って行った。車の状態は良く、2番手のタイムを叩き出し、Q2への進出を決めた。
しかし、Q2を担当した佐藤選手はアタック中に他車に引っかかってしまい、タイムを出し切れず8位になってしまった。車の状態が良かっただけに悔しい結果となってしまった。
しかし、明日は挽回のチャンスもあると思うので、表彰台を目指して準備を進めたい。
「Q1の大津の走りは良かった。とても期待出来るパフォーマンスだったね。Q2は上位2台が素晴らしいタイムでコースレコードを塗り替えたけど、蓮はその一角に入れるくらいのポテンシャルはあったんじゃないかな?それだけにQ2のアタックは残念だったね。明日、挽回出来るように頑張ります」
「朝から調子が良くてちょっとワクワクしたね。大津がQ1を2番手で帰ってきて、蓮がQ2を上位で予選を終える事をイメージしていたんだけど、他の車に引っかかってしまったのは残念。まっ、でも車の調子は良いし、挽回出来ると思っているので、上位目指して明日は頑張りたいね」
「走り始めからフィーリングも良くて、持ち込みタイヤのチョイスも良かったので、2番手でセッションを終える事が出来て、良い出だしだったと思います。Q1は大津が2番手で、Q2は蓮で、蓮は乗れていたので期待が高まったのですが、アタックラップで前との間隔が詰まり過ぎてしまい、その影響でタイムが出せませんでした。上位に行ける車に仕上がっていたので、悔しいですが、明日頑張りたいと思います」
「午前のセッションは2番手でタイム的には良かったのですが、車のフィーリングでもう少し改善したいところはありました。それを予選に向けてアジャストして挑みました。全体のタイムが上がっている中で、ボク達もタイムを上げる事が出来て、担当したQ1を2番手で通過出来たので、そこは良かったと思っています。Q2に向けてはコンディションが良くなるだろうということで変に調整はせずにQ2に挑んだのですが、蓮が前の車に引っかかってしまい思うようにタイムを上げられませんでした。8番手という悔しい結果になってしまいました。明日のコンディションは微妙ではありますが、車のポテンシャルは高いので表彰台目指して頑張りたいです」
「朝から車の調子は良くて、専有走行でロングの合わせ込みも上手く行きました。タイヤのレンジの違うものも使ってみたのですが、そのフィーリングも良かったので、予選に期待していました。大津さんがQ1で2番手のタイムを出してボクにつないでくれました。Q2でも上位に食い込みたかったのですが、他の車に引っかかってしまい、タイムを出せなくて悔しい思いをしてしまいました。しかし、車の調子は良いので、しっかり順位を上げて良い結果を持ち帰りたいと思います」
昨日の晴天とは大きく変わり、今朝の岡山国際サーキットは雨模様だ。昼頃には雨も弱まる予報だったが、一向に止む気配もなく、フリー走行が始まった。そのフリー走行では、野尻智紀選手がバランスの確認を行い、松下信治選手に交代。最終的に松下選手がトップタイムを記録し、レースでどのくらい順位を上げられるかに期待がかかった。
スタートドライバーは野尻選手。雨が強いため、岡山県警によるパレードラップは中止となり、セーフティーカースタートとなった。
3周目にセーフティーカーが解除になりスタートが切られたが、1コーナーを過ぎたところで多重クラッシュが発生した。不運にもチームメイトの16号車の佐藤蓮選手がこのアクシデントに巻き込まれてしまう。佐藤選手は幸いにも無傷だった。
再度セーフティーカーが入ったが、車両回収、選手救出の為、赤旗で一時中断となってしまった。選手の無事も確認され、6周目からセーフティーカーランによりレースが再開される。
野尻選手のポジションはこの時点で9番手。雨が弱くなり始めた10周目にリスタートが切られた。慎重に1コーナーを回りポジションをキープしたが、ダブルヘアピンの攻防で11番手までポジションを落としてしまう。13周目に差し掛かったところで他車が1コーナーでコースアウト。再度セーフティーカーが導入される。この時点でポジションは10番手。
18周目にリスタートが切られた。1コーナーで前車がコースアウトし、9番手にポジションアップ。21周目に300クラス同士が接触、コースアウトがありFCYが導入されるが、翌周にリスタートが切られた。
33周を過ぎたあたりからルーティンのピットインを行い始めるチームが出始め、野尻選手のポジションは8番手。更に前車を抜いて7番手にポジションを上げ、その翌周にルーティンのピットインを行い、松下信治選手に交代。松下選手は9番手で戦列に復帰。
松下選手は、アンダーカットに成功し、48周目に6番手までポジションを上げる事に成功。路面は徐々に乾き始め、300クラスの車両はドライタイヤに交換する車両が増えてきた。
徐々にタイヤが厳しくなってきた松下選手は、56周目にひとつポジションを落としてしまうが、前車がコーナーで膨らんでしまった隙にポジションを取り戻した。59周目に松下選手はピットイン。ドライタイヤに変更してコースに復帰。松下選手のペースは良く、他車のピットインもあり63周目で5番手。65周目に他車からインに入られて接触。その車はアドウッドコーナーでコースアウト、FCYが導入され、そのままセーフティーカーの運用に移行。70周目にストレートで全車停車し、整列してから再度セーフティーカーラン。72周目でリスタート、残り10周。
終盤は300クラスの車両を利用しながら前車と激しいバトルを繰り広げ、4位でレースを終えた。
しかし、そのバトルで行き過ぎたドライブがあり、それによって決勝結果に40秒加算のペナルティを受けてしまい、最終的に7位となった。善戦しただけに悔しい結果となってしまったが、2人の戦いはチームの士気を上げてくれる内容だった。
「2人とも素晴らしいレースをしてくれたね。野尻は車のバランスが決して良くないのにポイント圏内でノブにつないでくれたし、野尻の内圧のアドバイスもノブの素晴らしいバトルに生かされたのじゃないかな。ペナルティを受けて結果は少し下がってしまったけど、チーム全員の士気が上がったね。チェッカーの後はまるで優勝したような雰囲気だった。ペナルティを受けないように気を付けなければいけないけど、このようなレースを続けて行きたいね」
「2人とも良く頑張った。あまり目立たなかったかも知れないけど、野尻の踏ん張りはこのレースで重要な部分だったと思う。それをノブに上手くつなげる事が出来たから、後半で良いレースが出来たのだと思う。トップのチームとの差はあるかも知れないけど、このようなレースが出来ていれば、トップ争いが出来るようになるのじゃないかな」
「野尻は難しいコンディションの中で上手くポジションを上げてノブにつないでくれました。ピットのタイミングも難しかったのですが、良いタイミングでタイヤを替える事が出来て良かったと思っています。結果はペナルティを受けて7位になってしまいましたが、暫定の4位までポジションを上げる事が出来たのは、チームの雰囲気も良くしてくれたので良かったと思っています」
「ペースがあまり良く無かったのですが、こういう展開になるのは分かっていましたが、高揚する気持ちを抑えながら車を持ち帰る事が大切だと考えながらノブにつなぐ事が出来ました。後半はノブの走りとチームの良い判断のおかげでここまで上がれたと思います。最終的にペナルティで4位から7位に下がってしまいましたが、自分ももっと良い走りをして結果に貢献したいです」
「走り出しでトラブルから始まって、あまり流れが良く無かったのですが、上位でバトルが出来たのは良かったと思います。智紀のフィードバックも後半を戦う上で重要なアドバイスでした。そのおかげで良いバトルが出来たと思いますが、ペナルティを受けて7位になってしまいました。故意ではありませんが、次回以降十分気を付けて大量ポイントを獲得したいと思います」
朝から雨の岡山国際サーキットでスタート前のフリー走行では、佐藤蓮選手が序盤トップタイムを叩き出した。
車のバランスは良さそうだ。大津弘樹選手もアベレージのタイムは良く、最終的には2番手となったものの、昨日からの好調さはキープしているようだ。
スタートドライバーは佐藤選手。雨が強いため、パレードラップは中止となり、セーフティーカースタートとなった。3周目にセーフティーカーが解除になりスタートが切られたが、1コーナーを過ぎたところで他車のスピンに巻き込まれ、接触して走行不能となり、残念なリタイヤとなってしまった。
全体的に好調だったので、まともにレースを戦わずに終わってしまったのは非常に悔やまれるが、気持ちを切り替えて次戦に挑みたい。
「避けようが無いアクシデントだったので仕方ないね。ただ、ずっと好調だっただけにこの結末は悔やまれるね。でもチームもドライバーも良い車を作り上げてくれたので、次の富士も同じようなパフォーマンスを維持して、最後まで走り切れるようにしたいね」
「好調だっただけに悔しいね。自分も沢山同じような経験を積んでいるけど、悔しい。でももう終わってしまった事なので、次も好調さを維持出来るように頑張って、レースで良い結果を出せるようにしたいね」
「1コーナーでのあのアクシデントは避けようが無いと思うので、どうしようもなかったというのが本音です。次、頑張るしか無いですね」
「ウオームアップは結構フィーリングが良かったので、雨のレースでは良い展開が出来るのじゃないかという手応えを感じてしました。あのアクシデントはもうどうしようもない、何も出来ないクラッシュでしたので何も言えません。次のレースに向けて準備していきたいです」
「スタートでクラッシュしてしまった、というのが全てなのですが、ついていないと言えばそれまでなのですが、予選でもっと前のポジションを得ていればこのようなリスクも減らせたと思うので、メカニックさん達には申し訳ないですけど、車の修復をお願いし、次の富士では優勝を目指したいです」
鈴木亜久里監督のコメント
「予想外のトラブルが出てしまい、ドライバー達に走らせてあげられなかったのが残念。でも過ぎてしまった事を悔やんでもしょうがないので、明日、最後まで走り切って良いレースが出来るようにしたいね」