レポート Report

予選下位に沈むも、長丁場のレース活かして這い上がりたい

1週間ほど前にタイからワークショップに車両が戻り、第4戦で破損した車を修復して富士に乗り込んだ。

5月の富士の走行データを元に走り始め、午前のセッションは10番手で走行を終えた。40kgのウェイトハンディを載せた車はなかなか思い通りには走ってくれなかったが、セッション終盤にはバランスの向上が見られ、10番手で走行を終えた。満足は出来ないがまずまずの仕上がりなので、Q1突破へ向けて準備を進めた。

Q1は伊沢拓也選手。いつものようにギリギリまでコースインを待ち、セッション終盤にコースイン。ウォームアップを完了してアタックへ入っていった。アタック1-2周目の段階では5-6番手にいたが、周りのタイムアップの幅が大きく、Q1突破はならず、15位で予選を終えた。

しかし、明日はシリーズ最長の500マイルのレースなので、チャンスは十分にあるので、諦めず上位進出を狙いたい。


鈴木亜久里監督のコメント

「ハッキリ言って良いポジションでは無いけど、車のバランスが良いのでネガティブなイメージは無いね。逆にこのポジションから這い上がるところを魅せたいね」

星学文エンジニアのコメント

「全体的なパフォーマンスが少しずつ足りなかったという感じです。車のバランスは悪くないのですが、タイヤのグリップをきちんと引き出す事が出来なかったのだと思います。一番後ろからのスタートですが、距離の長いレースなのでチャンスはあると思っています。レースセットを見直して明日に向けて準備を進めていきたいです」

野尻智紀選手のコメント

「予選は望んでいた結果では無かったかも知れませんが、明日のレースは800kmという長距離レースなので、どこのチームにも勝つチャンスがあると思っていますし、ロングの手応えは悪くないので、上位フィニッシュ出来るように頑張りたいと思います」

伊沢拓也選手のコメント

「スタートポジションはあまり良くありませんが、距離が長いレースなのでこのポジションでもチャンスはあると思っています。ひとつずつポジションを上げていき、少しでも多くポイントを獲得したいです」

ウェイトハンディ厳しくもQ2進出

第4戦を終えた時点でランキングトップに踊りでた、#55 ARTA NSX GT3だが、ウェイトハンディも61kgと全チームの中で最も重い車で富士に乗り込んだ。

このウェイトハンディでは苦戦が予想された。予選ではバランスが良かったものの、なかなかスピードにはつながらなかった。午前のセッションは15位で、Q2進出へ行くにはギリギリのポジションだ。しかしながら、高木真一選手がQ1を突破し、Q2で福住仁嶺選手が11番手のタイムを叩き出す事が出来た。

61kgのハンディウェイトは予想以上に我々を苦しめたが、それを克服するチーム力があった。明日は1ポイントでも多くポイントを獲得し、チャンピオンシップを有利に進めたい。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「この重いウェイトハンディでここまでのタイムを出せたのは良かったね。チームもドライバーも最大限に力を引き出してくれた。もちろんタイヤのパフォーマンスも素晴らしいね。明日のレースは距離が長いので良い結果を出したいね」

一瀬俊浩エンジニアのコメント

「第2戦の富士は、決勝の結果が良かったのは戦略によるものでしたが、予選と決勝のペースが良くなかったのでパフォーマンスが不足していたのを見直しました。前回のタイのレースで色々と新しい発見があったので、それを加えて持ち込みました。バランスは悪くないのですが、ハンディウェイトが重いので、Q1をギリギリ通過出来るかどうかというところでした。その後、セット変更してもバランスの向上は見られたものの、パフォーマンスを上げきれませんでした。高木さんは色々と試しながらQ1へ行ってもらったので、何とか通過出来ました。そのおかげでQ2へ向けたセット変更はうまくいき、何とかタイムアップが出来ました。明日はポイントを獲得するのが目標なので、それに向けて良いスタートが切れたと思います。夏場はパワー的にも厳しいとは思いますが、少しでも多くのポイントを獲得出来るように戦略を組みたいです」

高木真一選手のコメント

「予選は朝のフィーリングからすると、Q1では38秒8くらいで10番手くらいかな?と思っていました。最初のアタックで38秒5が出たので、もっと良いタイムを出そうと欲が出てしまいました。次の周はグリップ感が増していたものの、バランスが崩れてしまい頑張りすぎてミスもしてしまったのでタイムが出ていないと思ったら、1周目のアタックと同じタイムが出ていました。しかし、無線で14番手だと聞いて、ちょっとガッカリしました。そしてもう1周アタックする事になってしまったものの、その周でQ2に生かす事も見えてきたので、そういう意味では良いQ1だったと思います。予選の結果は満足ではありませんが、今出せる力を出し切れたのでは無いかと思っています。明日は長距離のレースなので、順位を上げられるように頑張ります」

福住仁嶺選手のコメント

「Q2を担当させてもらいました。ウェイトハンディが重いので、難しい予選になる事は予想していました。Q1は高木さんが色々と試しながら通過してくれて、セットを少し変更しました。終わってみれば色々と課題や悔しい部分が出てきてしまったので、明日のレースに生かして頑張りたいと思います」

課題も残したが最後尾から7位で貴重なポイント獲得

第5戦の富士スピードウェイは、灼熱の太陽が容赦なく照りつけ、スタート時点で路面温度は56℃を越えていた。ファーストスティントを担当する伊沢拓也選手は、15番手スタートだったが、#17がピットスタートとなったため、実際には14番手でレースが始まった。

300クラスが周回遅れになり始めたところで前を走る500クラスの車両と300クラスの車両が接触し、ひとつ順位を上げる。20周目には全体の順位が落ち着きはじめ、徐々にルーティンのピットインが始まる。伊沢は30周目にポジションを10番手まであげたあと、33周目でルーティンのピットインを行い野尻智紀選手に交代した。

野尻は14番手で戦列に復帰。ペースはよく、40周目には10番手までポジションを回復した。その後は全車ラップタイムが均衡していて、なかなかポジションを上げる事が出来ない。67周目に2度目のルーティンのピットインを行い、伊沢に交代。伊沢は14番手でコースに復帰したが、その2周後に#38が100Rでクラッシュしてしまう。その影響で74周目にセーフティーカーが導入された。車両の回収が済み、80周目にリスタートが切られた。

リスタート時に前方で混乱があり、伊沢は11番手までポジションを回復。ペースはよく、94周目までにポイント圏内の9番手までポジションを回復した。その後ひとつポジションを上げて、104周目に野尻に交代する。

野尻がコースに復帰した直後に、#24がストレート上でスロー走行してストップ。直後に火災になり、セーフティーカーが導入される。まだ3回目のピットインを行っていないチームがあったので、112周目にリスタートを切ったあと野尻は5番手を走行していた。このスティントの中盤にペースが上がらず、後方から追い上げてきた車に抜かれ、2つポジションを落としてしまう。141周目に最後のピットインを行い、伊沢に交代した。

伊沢は7番手でコースに復帰。途中順位が何度か入れ替わるが、7番手をキープして貴重なポイントを獲得した。レースはいくつか課題が残ったが、昨日の予選15位を考えると、素晴らしい結果となった。


鈴木亜久里監督のコメント

「昨日の予選のポジションから考えると、ここまでポジションを上げてくれたのはチームとドライバーの頑張りだね。荒れたレースだったけど、最後まで無事に走ってくれたうえにポイントを獲得してくれたのはとてもホッとした」

星学文エンジニアのコメント

「昨日のサファリでレースペースの確認をしましたが、それほど悪くなかったので決勝に向けて車両を少しアジャストしました。レース前のウォームアップ走行でも悪くなかったので、レース中のクリアラップや戦略がうまく行けば、順位を上げてポイントを獲得出来る見通しはありました。レースが始まって、すべてのスティントで車のバランスは良かったのですが、車速が伸び悩み、ストレートでは他のメーカーに太刀打ち出来ませんでした。ストレートが遅かったのが車重の影響なのか、暑さによるパワーダウンなのかわかりませんが、分析して次回につなげたいです」

野尻智紀選手のコメント

「望んでいたのはもっと上の順位だったのですが、予選の順位が悪かったり、厳しい状況の中でしっかりポイントを獲れたので次につながるレースになったとは思います。しかし、もっと上のポジションを望んでいるので、来週のテストで分析して残りの3戦では上位を狙っていきたいです」

伊沢拓也選手のコメント

「長いレースだったので、ミスなく戦えたのがポイント獲得という結果につながったと思います。しかし、昨日からタイムが伸び悩み、今日のレースもあったので、そういう事が戦うのを厳しくしてしまったので、このままでいくのは残りのレースを戦うのが辛くなるので、テストで改善していきたいと思っています」

タイヤの性能に助けられながら作戦と運にも恵まれ6位

今シーズン最も距離が長い500マイルレースのスタートが切られた。福住仁嶺選手がスタートを担当した。福住は序盤順位をひとつ落としてしまうものの、タイヤとブレーキが暖まり始めた5周目には順位を元に戻してレースを展開していった。しかし、8周目ぐらいから早くもフロントタイヤのグリップが落ちてきたようだ。そんな状況でも福住は徐々にペースを上げていき、11周目からデッドヒートを繰り広げる。

1コーナーで#4を抜き、14周目には#7と#33のバトルを制し、8番手までポジションを上げる事に成功。22周目には更にひとつポジションを上げた。25周を過ぎたあたりからルーティンのピットインを始めるチームが出始めてきた。福住は25周目に6番手までポジションをあげ、29周目にルーティンのピットインを行った。タイヤの状態が良さそうなので、タイヤ無交換で高木真一選手に交代した。

高木は13番手で戦列に復帰。他車のルーティンのピットインも始まり、41周目には7番手までポジションを回復したが、徐々にタイヤが厳しくなり、51周目に2度目のピットイン。福住に交代する。

しかし、1回目のピットインで作業違反があり、ドライブスルーペナルティを課せられてしまう。福住はピットアウトした次の周にペナルティーを消化して24番手でコースに復帰。自己ベストを更新し、57周目には22番手まで順位を回復していく。その後、500クラスの車両がクラッシュし、67周目にセーフティーカーが導入される。

73周目にリスタートが切られた。前方での混乱もあり、75周目には14番手にポジションアップ。更に81周目に2つポジションを上げて12番手で走行。他車のルーティンのピットインもあり、8番手までポジションを回復し、91周目でルーティンのピットイン。高木に交代した。左側2輪を交換して15番手で戦列へ復帰した。

98周をむかえたところで500クラスの車両がストレート上で火災に見舞われ、このレース2回目のセーフティーカーが導入される。このタイミングで高木は12番手を走行。102周目にリスタートが切られ、他車のピットインもあり、高木は11番手にポジションを上げた。ペースは速く、112周目にはポイント圏内の9番手までポジションアップする。その後、更に2つポジションを上げて125周目にピットイン。最後のスティントを福住に託した。

福住は14番手でコースに復帰。129周目には13番手とペースは速い。前車の接触もあり、141周目には9番手にポジションを回復。福住は自己ベストを更新しながら、144周目には8番手、148周目には7番手にポジションアップ。更に6番手の車を追っていく。159周目の最終コーナーで6番手に浮上し、6位でチェッカーを受けた。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「ランキングトップでウェイトハンディも重い中、このようなパフォーマンスを発揮出来て、ポイントまで獲得出来て非常に素晴らしい結果になったと思っています。もちろんまだまだ課題はあるけど、難しい状況の中、このようなレースが出来た事はチームもドライバーも自信につながるね。より強くなれると思う」

一瀬俊浩エンジニアのコメント

「ウォームアップ走行では車のセットを少し変更して走りましたが、アンダーステアが出てしまいました。出てしまった原因は把握出来ていたので、そこを修正してレースに挑みました。最初からタイヤのパフォーマンスが良かったので、1回目のピットインではタイヤ無交換で行きましたが、気温、路温が予想以上に上がった影響もあり、早めにピットインをせざるを得ませんでした。しかし、この後、SCが入ったり、作業違反でペナルティーを受けてしまいましたが、第2スティントの周回数を減らした事によってSCやペナルティーのロスタイムを帳消しにする事が出来ました。これは非常に運が良かったです。後半は仁嶺でニュータイヤを使い、高木さんで片側のタイヤ交換など、色々なデータを取る事が出来ましたし、今後のレースの参考になるような事が試せたので、後半戦に向けて良い準備が出来ると思います」

高木真一選手のコメント

「燃料が多いときは重くてコントロールが難しかったのですが、タイヤのパフォーマンスが良かったです。最初のルーティンのピットストップではタイヤ交換をせずに2スティント目を走りましたが、流石にこの気温と路面温度ではタイヤには厳しかったです。その影響もあり、次は早めにピットインしました。ペナルティーやSCなど色々あったのですが、そのタイミングでロスタイムも帳消しにする事が出来ました。第3スティントは4輪ともニュータイヤで仁嶺が行って、4スティント目は片側交換など色々な戦略が功を奏し、少しずつポジションを上げる事が出来ました。最後のスティントも仁嶺がベストラップを叩き出して順位を上げてくれました。こういうレースをまた出来るように頑張ります」

福住仁嶺選手のコメント

「自分が思っていたよりもペースが良くて、順位を少しずつ上げる事が出来ました。タイヤの状態も良かったので2スティント目は高木さんに無交換で行ってもらいましたが、やはり燃料を入れて重くなるとなかなか厳しいものがありました。その後はニュータイヤで行くことにしましたが、タイヤのパフォーマンスが非常に良くて、タイムも安定していて何とかポイントを獲得出来て良かったです。次回のレースはウェイトハンディが重くなってしまいますが、今回のようなレースが出来るように頑張ります」