当初、9月1日に開催予定だった、SUPER GT第5戦鈴鹿大会だったが、台風の影響で延期となり、12月の開催となった。12月にSUPER GTが開催されるのは初めてだ。気温が低いコンディションなので、タイヤと路面のマッチングやセットアップが鍵になる。
午前のセッションは決勝のセットアップを進め、まともなタイムアタックは行わなかったので、ポジションは後方だったが、予選に向けてセット調整を行った。
Q1は松下信治選手。気温が低いので、しっかりとタイヤを暖めて、アタックに入って行った。松下選手は7番手のタイムを出して、野尻智紀選手にQ2を託した。
野尻選手に期待がかかったが、13番手のタイムしか出なかった。走行データを見ると、ストレートスピードが出ていなかったようだ。そのため、ペナルティを受ける事になるが、チームはエンジン交換する事を選び、明日の決勝に備える。
「不調の原因が分かったので、良かった。後方から追い上げるしかないね。決勝のセットアップは進んでいるから、期待出来るんじゃないかな?ペナルティを受けて、どの程度追い上げられるかどうかだね。頑張ります」
「午前のフリー走行で8号車はタイムを出すタイミングがちょっとなくて、速さがどの程度なのかわからない状態でした。但し、ユーズドタイヤではいいペースで走れていたので予選に対してはある程度、期待はしていたのですが、残念ながら予選でも思ったようなタイムが出ませんでした。原因がわからないところがあって、エンジンも本来のパフォーマンスを出せていないようなので、決勝に向けてエンジンメーカーのホンダさんからエンジン交換という判断で交換することになったので、タイムも出なかったのもそういうところがあったのかなというふうに思っています。残念な結果なのですが、明日頑張りたいと思います」
「この寒いコンディションの中で、どのタイヤがマッチするかっていうのもあったんですけれども、あまりタイヤは大事にせずとにかくセットアップを進めて行きました。思ったよりもタイムが出ない感覚があり、データを振り返るとストレートで結構タイムをロスしている事が分かりました。予選に向けて改善出来るところは試みましたが、改善出来ませんでした。タイムを出し切れなくて不本意なところもありますが、明日に向けてしっかり準備したいと思います」
「乗り出しからバランスも含めて決まっていないという状態だったんですけど、前回から周りとは違うようなことをトライしていて、そこを含めた中で微調整をしていたのですが、予選でもなかなかそこがピタッとハマらなかったですね。でも良いテストと言ったら変ですけど、データにはなったと思うので、あとは別にちょっとエンジンも不安な部分があるかもしれないので明日に向けてどうなるかちょっとわからないですけど、ベストを尽くせるように頑張ります」
12月の気温が低いコンディションでは、タイヤと路面の合わせ込みが難しいが、湿度が低い中ではエンジンの燃焼効率も上がり、セットが決まればコースレコードも出やすいコンディションだ。
悪く無いポジションではあるが、トップとの差を予選では縮めたい。
Q1は佐藤蓮選手が担当した。タイム自体は悪く無かったが、8番手だった。Q2は大津弘樹選手が走り、総合で6番手となった。
トップとの差は、午前のセッションを変わらないが、決勝はまだチャンスがあるので、悪くても表彰台を狙って行きたい。
「あと、もう一歩なのかな?何が足りなかったのか、もう一度見直して、トップとの差を縮めて、表彰台を狙いたいね。今季最後のレースだから、しっかり最後まで走り切って、満足して終わりたいので、しっかり準備します」
「16は悪く無いんだけど、もう少しなのかな?操縦性に少し難があるみたいだけど、セットが進まない場合は、何とかドライバーに頑張ってもらって、表彰台を狙いたいね。うまくチャンスを掴みたいね」
「16号車も悪くはないのですが、予選はもうちょっと前にいけるパフォーマンスがあったと思うんですけど、ちょっとスピードが足らなかったですね。但し、チャンスはあると思いますので、頑張ります」
「このコンディションでのグリップ感は想像していたより、あまりグリップを感じられなくて、車のバランスを改善させるためにセット変更を行っていました。予選に向けて改善はしたものの、トップとの差はフリーからあんまり変わってないので、もっとやりようがあったのかなと思っています。2人の合算で6番手ですけど、個々の予選を見ると、結構苦戦はしていました。望んでいた結果にならなかったので、悔しい予選になりました。明日は6番手なので、まだまだ展開によっては順位を上げられると思いますし、何とか表彰台は獲得できるように頑張りたいと思います」
「バランス自体はそんなに大きく外れたところにはなかったですが、戦闘力として少しトップから遅れていて、午前は5番手で終えました。予選に関してはセットアップの改善、方向を予測して変更を加えていったのですが、トップとの差は変わらず、合算で6番手という結果で終わりました。チャンスがない位置ではないので明日の表彰台はマストで考えて頑張りたいと思います」
昨日の予選後にエンジンを載せ替えたので、ペナルティを受ける事になった。ペナルティの内容は、レース中にピットインし、ピットロード出口で5秒停止する事になる。当然、最後尾に落ちてしまうが、ウォームアップの#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTは、ラップタイムも良く、決勝では追い上げが期待出来そうだ。
スタートドライバーは野尻智紀選手。パレードラップのあと、フォーメーションラップが2周行われスタートが切られた。
野尻選手は上手くスタートを切り、1周目までに9番手までポジションアップ。 3周目にエンジン交換のペナルティが出され、野尻選手はピットイン。5秒ストップのあと、レースに復帰したが、最後尾までポジションを落としてしまう。全体でも速いタイムを叩き出し、徐々に集団との差を詰めていった。
10周目にデグナーで500クラスと300クラスの車両が接触により、コースアウト。FCYが導入される。
車両の回収が終わり、11周目にリスタートが切られた。
トップグループと遜色ないタイムで周回を重ね、17周目にルーティンのピットインを行い、松下信治選手に交代した。
全車のピットインが終了し、#8のポジションは14番手。
その後、なかなか前車を抜く事が出来なかったら、23周目に何とかポジションをひとつ上げ、13番手を走行。
30周目に300クラス車両がスローダウン、FCYが導入される。翌周に解除され、リスタート。
45周目には、他車のピットインもあり、12番手にポジションアップ。
前車との差を少しずつ詰めて行ったが、終盤前車のオイルがフロントウインドウに付着してしまい、緊急ピットイン。再度コースに入り、12位でチェッカーを受けてレースを終えた。
「今年も1年間ありがとうございました。思うような結果が出ませんでしたが、精一杯戦いました。今回はエンジントラブルが出てしまい、エンジン交換をしてペナルティを受ける事になりましたが、戦える車であることは確認出来ました。歯車が合えば、強いチームになれると確信していますので、来年はしっかり結果を出して行きたいと思います。応援して下さって皆さま、ありがとうございました」
「エンジン交換をしたことによるペナルティでピットストップ5秒と、FCYは数回出たけど、セーフティカーだったらチャンスもあったかも知れないけど、FCYだと間隔が縮まらないので、チャンスがありませんでした。でもエンジンが壊れる前に交換しておいて良かったと思います。結果は良く無かったけど、ドライバーは良いレースをしていましたね。1年間ありがとうございました。寒い中も暑い中もレースを観てくれたファンの皆さまには感謝します。本当にありがとうございました」
「予選後にエンジン交換してペナルティを受けて、それで最後尾に落ちたものの、すぐに最後尾に追いつくことが出来ました。ペナルティがなければもっと良いレースが出来たと思うと、非常に残念です。今年、いろいろありましたけど来年チャンピオン獲るように頑張ります。今年も応援して下さいましたファンの皆さま、ご支援下さいました企業の皆さま、ありがとうございました」
「エンジン交換があってペナルティを受けましたが、その中でやれることっていうところでは、自分達が今できることはやれたと思います。但し、速さもあったレースウィークだと思うので、そこは自分達がこれまでやってきたところを出せたのは評価出来ますが、不調なところもあって、本当は我々がいるべき場所に居られなかったことが非常に悔しいと思います。チャンピオンシップに関しては1年通しての事なのでまたそれは置いといて、今回のレースとしてはトップ争いを狙えるだけのパフォーマンスが我々にあったと思うので、来年に関してはそのパフォーマンスをしっかりと結果に表すというところで、チーム一丸となって来年しっかりと頑張りたいと思います。
1年通して戦うっていうのは厳しい局面もたくさんあるのですが、その中でも常に変わらずに応援いただいたことが我々の励みになりましたし、今後も変わらない応援をしていただけると嬉しいです。ありがとうございました」
「エンジントラブルからのペナルティでそこは仕方ないのですが、ちょっと運による展開を期待していたところだったんですけど、何もありませんでした。ペース自体はトップ5ぐらいなのかなという結果だったんで順位がもう少し良ければ表彰台争いできたかもしれないので、そこはいいとこだとは思うんですけど今シーズン終わってみて、ミスなくというか、万全な状態で走れた回数が多くなかったので、そこがポイントを取りこぼしたところだと思うので反省しているところです。来年に向けては、そういうところを確実になくして、もっとレベルを上げて速く走れるようになりたいなと思います。
レースのステージに出してもらえるためには、僕だけじゃないですけど本当にスポンサーさんだったり応援してくれてる人たちがいないと、僕たちはここに立てないんで、まずそこに今年1年応援してくれたことに本当に心から感謝します。
あと毎回グラウンドに、グランドスタンドに来てくれてる方々だったり、サーキットに直接来てくれるARTAのファンの人ってすごい数が多いので、その人たちに毎回いいレースをしたいなっていうのは本当に強く今年は思ったんで、来年もチャンスがあれば、気持ちに応えたいなっていう思いは強くあります。来年も頑張りますので、宜しくお願いします。ありがとうございました」
昨日に引き続き天気は良いが、鈴鹿山脈から来る風が冷たい。とても冷えたコンディションでスタートを迎える事になった。ウォームアップ走行の#16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTは、バランスも良く、トップグループのタイムで、レースに期待が持てる。
2周のフォーメーションラップのあと、スタートが切られた。大津選手は1コーナーで前車を抜き、4番手に浮上。
10周目にデグナーで500クラスと300クラスの車両の接触があり、ここで3番手に浮上。しかし、この接触で300クラスの車両がコースアウト。FCYが導入される。車両の回収が終わり、11周目にリスタートが切られた。
大津選手は3番手をキープしていたが、15周目にポジションをひとつ落としてしまう。
その後、18周目にルーティンのピットインを行い、佐藤蓮選手に交代。 しかし、このピットインで2回、エンジンストールしてしまった。これで大きく順位を落としてしまった。
全車のピットインが終了し、#16は7番手を走行。なかなか前車を攻略する事が出来なかったが、28周目に追い抜いて、6番手にポジションを上げた。
30周目に300クラス車両がスローダウン、FCYが導入される。翌周にはリスタートして、2番手を走っていた車がスピンしてしまい、5番手にポジションアップ。しかし、その車が背後に迫り、数周デッドヒートが繰り広げられる。じわじわと後方車を引き離し、43周目には4番手の背後に迫った。何度かパッシングを試みたが、抜くに至らず、5位でチェッカーを受けた。
「8号車同様、エンジンに不調があったんだけど、16号車は何とか走り切れると判断して、行きましたが、ピットインで不調な症状が出てしまったね。でも、何とかポイントを獲れたのは良かった。不本意な1年だったけど、来年はリベンジするので期待していて下さい。今年も応援ありがとうございました。来年も応援のほど、宜しくお願いします」
良いレースをしていたんだけど、16号車もエンジンに不調を抱えていて、ピットストップでエンストしてしまい、表彰台まで届かなかったね。今年も1年ありがとうございました。暑い中、寒い中、レースを観にきてくれてありがとうございます。もっと面白いレースが出来るように我々も頑張りますので、来年も宜しくお願いします」
「順調にポジションを上げていきましたが、トップに比べるとやはりスピードの部分でまだ足りませんでした。1年通してそういうレースが続いていたので、応援して下さった皆さまに本当申し訳ないなと思います。今年は結構データ取れたんで来年頑張ります。来年もよろしくお願いします」
「スタート直後の1コーナーで24号車を抜いて順位を上げて、一時3番手まで順位を上げたのですが、最後の最後ちょっと300との間合いの悪さで抜かれてしまいました。それで4番手でピットインしました。エンジンにトラブルを抱えていた状態だったのですが、その状態でも予選から順位を上げてピットインできたことはよかったかと思います。蓮も非常に良いペースで、アウトラップでロスした部分はあるんですけど、挽回してくれたし、最終的には予選順位から上げてゴールできて良かったかと思いました。
1年間応援ありがとうございました。今年チームメイトも変わって新しく心機一転したかったのですけど、序盤はちょっとうまくいかないレースも多くあって、ただ最後の数戦は苦しい中でも着実にポイントは取れましたし、この状態でスタートできればチャンピオンシップも今後は繋がると思いますので、後半の調子を維持して来年につなげるように準備をしていきたいと思います。ありがとうございました」
「決勝の序盤は大津選手が追い上げてくれて、4番手でドライバーチェンジをしたのですが、ピットから発進するタイミングでエンジントラブルもあって、出遅れてしまい、ポジションで言うと7、8番手ぐらいまで落ちてしまいました。そこからのペースは良くて最終的に5番手まで追い上げることができて、少しトラブルを抱えた中でいうといい結果だったのかなとは思います。1年間の締めくくりとしていいレースはできたかなと思います。
1年間応援してくれてありがとうございました。一貫性のあるレースは出来ていなくて、表彰台にも1回しか乗れないシーズンでした。課題として上がってきたものが多くあるので、そこを見直して来シーズンに繋げたいと思います。ありがとうございました」
鈴木亜久里監督のコメント
「エンジンを交換する事になったけど、エンジンだけではなく、総合的に見てしっかり速く走れるように準備しなければならないね。今年、1回は勝てたけど、今季最後のレースで良いレースをして、結果を出したいね」