レポート Report

BSタイヤではトップだが競合メーカーには届かず予選は5位

5月に開催予定だったSUPER GT第3戦が延期され、ようやくこの8月に開催される事になった。

午前のセッションは天候が安定せず、セットを進めるには難しいコンディションだったが、チームは予定通りの走行メニューを消化していった。しかしながら、思うようなタイムが出ないまま午前のセッションを終えた。

予選が始まるまでにセットを見直し、Q1を担当する福住仁嶺を送り込んだ。福住は最初にコースインしてタイヤをしっかり暖めてアタックに入った。5番手のタイムを叩き出し、野尻智紀につないだ。

野尻は渾身のアタックで、福住と同じ5番手でQ2を終えた。決勝のセットは表彰台を狙える手応えがあるので、明日は表彰台を目指して挑みたい。


鈴木亜久里監督のコメント

「他メーカーのタイヤが力をつけてきたから、全体的に面白くなってきたんじゃないかな。ボク達は困るけど、それに負けないように頑張りたいね。明日は見込みがありそうだから、表彰台を目指して頑張りますので、注目していて下さい」

ライアン・ディングル エンジニアのコメント

「午前のセッションは天気が不安定だった割にはメニュー通りに走れたのでビックリしています。持ち込んできた車のバランスは良くて、予選向けのアイテムを主にチェックしました。1-2箇所直したいところがあって、それを直しながら走っていましたが、500専有の時はニュータイヤのセットで走行しましたが、それがあまりコンディションと合っていませんでした。今までの予選みたいに1発のタイムが出そうに無かったので、データを見ながら予選に向けてアジャストしました。予選向けにバランスをまとめる事が出来ましたが、上位のタイムは見えませんでした。しかしながら、もう1つ2つポジションを上げたかったです。FCYの走行の時はロングランのセットを確認しましたが、それは良さそうなのでそれをベースに明日に向けて準備を進めたいです。BSの中ではトップなので、BSタイヤの強さを見せつけられるように頑張りたいと思います」

野尻智紀選手のコメント

「午前の走り出しは良かったのですが、その後はあまり良い方向へ行かなかったのでそれをインターバルで解析してもらって、予選ではそれが上手く行けたと感じました。他のタイヤメーカーには手が届かなかったので悔しい気持ちはありますが、明日がどういうレースになるか分からないので5位というポジションはまずまずのスタート位置だと思っています。しっかりレースを組み立てて良い結果を出せるように頑張ります」

福住仁嶺選手のコメント

「久しぶりにQ1を担当しましたが、朝の走行からするとあまり手応えを感じていなかったので、不安の中、予選を迎える事になりました。予選開始まで車のセットを変更してもらい、欲しかったところがだいぶ出てきてくれました。しかし、自分の走りでセクター1などでタイムアップが出来なかったので、ちょっとヤバいな、と思っていました。セクター2以降は何とかまとめる事が出来たので、Q2に進出する事が出来ました。その後、野尻さんも素晴らしい走りで5番手のポジションを確保する事が出来ました。BSの中ではトップですし、ロングランのセットも良いので、集中して強いレースをして結果を残したいと思っています」

バランスはいいがそれがタイムに結びつかずQ2進出ならず

前回のレースでは予選も決勝も不本意な結果に終わったが、今回は挽回すべく鈴鹿に乗り込んだ。しかし、午前のセッションでは思ったようにパフォーマンスを上げる事が出来ないまま予選を迎える事になった。

今回もQ1はグループ分けされ、#55 ARTA NSX GT3はAグループでの出走となった。Q1のアタッカーは佐藤蓮。佐藤は早めにコースインし、しっかりとタイヤを暖めタイムアタックに入った。佐藤は気合が入り過ぎたのか、スプーンカーブでコースアウトしてしまう。車やタイヤにダメージは無かったようだ。まだ時間が残っていたので、佐藤は再度アタックに入っていった。

ノーミスでタイムアタックを完了したが、Aグループ11番手でQ2進出を逃してしまった。

しかし、午前のセッションではロングランのパフォーマンスが高かったので、明日はポイントを獲得出来るように準備を進めたい。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「もてぎから苦戦しているね。ちょっとタイヤと路面のマッチングが良くないので、何とか合うように頑張りましたが、予選は上手く行きませんでした。トップとの差は大きいですが、決勝では何が何でもポイントを獲りたいので、明日までにしっかりと準備して挑みますので、応援宜しくお願いします」

岡島慎太郎エンジニアのコメント

「走り出しから車のバランスは良かったです。しかし、タイヤのピークグリップを引き出せなかったので、午前中はグリップを上げられるようなメニューを沢山トライしていきました。良いものもあり、それを予選に盛り込んでいったのですが、全体的なパフォーマンスとしてはQ1を突破出来るレベルに届きませんでした。原因が色々あると思うのですが、次回以降も予選で上位に行けるように見直して行きたいと思います。レースに関してですが、バランスは良いものの、グリップレベルで苦労するところが出てくるかも知れないので、今晩しっかりと分析、検証していきたいです。明日は雨予報でウェットレースになる可能性もありますが、ウェットでの相性の良さは事前のテストで確認出来ているので、ポイント圏内に入れるように準備していきたいです」

高木真一選手のコメント

「午前中の走行はドライコンディションで、パフォーマンスがもてぎと同じ感じでした。車のバランスはとても良かったのですが、タイムが出ない状況が続きました。今回新シリーズのタイヤを持ち込んだので、それがこのコンディションに合わなかった印象を受けました。車自体は非常に乗りやすく、決勝のセットはトップグループと差が無いので、明日の決勝に向けてはジワジワ追い上げて行けると思っています。FCYや戦略で前に進めるように準備をしていきたいです」

佐藤蓮選手のコメント

「前回のレースでは熱中症になってしまい、レース後のコメントが出来ず申し訳ありませんでした。医務室で点滴を射って、数時間後には回復しました。ご心配おかけしました。
さて、今朝の公式練習の走り出しはもてぎ同様、パフォーマンスがあまり高くありませんでした。色々とセットの変更を試みましたが、バランスは良いものの、なかなかタイムアップにつながりませんでした。そんな状況で今回の予選はQ1を担当させてもらいました。アタック中にミスもありましたが、それを差し引いてもQ2進出は難しい感触でした。まずは明日の決勝へ向けて、少しでも挽回してポイントを獲得出来るように頑張りたいと思います」

マシンが昨日から急変、今日のコンディションに合わせきれず

スタート前のウォームアップ走行で決勝セットの確認を行い、スタートドライバーを務める福住仁嶺はグリッドについた。2周のフォーメーションラップのあとにスタートが切られた。

福住は5番手のポジションをキープしたまま1周目を終えたが、2周目のストレートで順位をひとつ落としてしまう。5周目のシケインで64号車がクラッシュ。ポジションは5番手になったが、ここでFCYが導入される。

車両の回収が済み、11周目にリスタートが切られる。福住は安定したペースで周回を重ねたが、後方から順位を上げてきた38号車に17周目のストレートで抜かれてしまう。この頃からグリップダウンが進み、19周目にルーティンのピットインを行い野尻智紀に交代する。

野尻は11番手でコースに復帰し、25周目には7番手まで挽回するが、その後福住同様グリップダウンに悩まされた。そして27周目に10番手にポジションを落としてしまう。37周目には雨が降り始めるが、ドライタイヤに変えるほどの雨量では無かった。

野尻は集中してペースを上げて、徐々に前車との差を詰めていった。しかし、終盤はコントロールが難しくなり、11位でチェッカーを受けた。

昨日の状態では表彰台も狙える手応えがあったが、今日のコンディションに合わせきれず悔しい結果となってしまったが、良いデータも取れたので次回のレースに期待したい。


鈴木亜久里監督のコメント

「昨日の雰囲気だと表彰台も行ける感じだったんだけどね。フタを開けてみたら自分たちの思い通りには行かなかった。次回のレースまでに必ず改善して結果を出したいと思います」

ライアン・ディングル エンジニアのコメント

「全然評価出来ないレースで非常に悔しいです。昨日からフィーリングが変わって運転しづらい車になってしまいました。その原因は調べてみなければわかりません。データを見て次回に生かしたいです」

野尻智紀選手のコメント

「序盤からキツいフィーリングで、まだ1台とかだったら何とかなったと思うのですが、集団の中に入ってしまうと更にグリップ不足でどんどん飲まれていってしまいました。ここ最近は決勝が良くて、予選が悪い事が多かったのですが、今回はそれが逆になってしまいました。昨日からこのセットは今日の決勝に向かないと言っていたのですが、決勝に合わせる事が出来なかったので反省しなくてはならないのと、ボクももうちょっと粘れれば良かったのですが、その辺も改善出来るようにしなければなりません。悔しい部分と反省がありますが、次回に向けて頑張りたいと思います」

福住仁嶺選手のコメント

「ウォームアップで走行したら昨日の車の状態がガラッと変わってしまっていて、タイヤの摩耗もすごかったので、レースが始まるまでに狙い通りにアジャスト出来ず、レースペースは良くありませんでした。その中でもSCが入ったりして助かってはいたのですが、野尻さんに変わって長距離のバランスが良くなくて、ポイント圏外で終わってしまいました。ウェイトなど重くない状況で、このようなパフォーマンスしか出せてないのは他に色々と原因があると思うので、毎戦同じような事を繰り返し、勿体ない事ばかりしているので、次で何とか挽回出来るように流れを変えて行きたいです」

ドライバー・チーム・タイヤのコンビで22番手スタートから7位ポイント獲得

スタートドライバーは高木真一。前車がコースアウトしたため、高木は1周目に21番手でメインストレートを通過。

高木のペースは良く、2周目は20番手にポジションアップ。次の周に更にポジションを上げるが、4周目に500クラスの車両がシケインでクラッシュし、FCYが導入される。導入中にタイヤ交換するチームがあり、11周目のリスタートの順位は17番手。

20周目あたりからルーティンのピットインを始めるチームが出始めた。高木は順調に周回を重ね、22周目にはポイント圏内の10番手までポジションを上げる。他車のピットインもあり、高木は25周目までに7番手まで順位を上げる。ラップタイムは速い。27周目にルーティンのピットインを行い、佐藤蓮に交代。

佐藤は22番手でコースへ復帰。佐藤のペースは良く、1周につき1つずつポジションを上げていった。35周目には11番手まで順位を挽回したが、ここで雨が降り始める。しかし、ウェットタイヤに変えるほどの雨ではなく、佐藤は前車を追う。

佐藤のペースはこの状況で最も速く、39周目にはポイント圏内の10番手までポジションを上げる事に成功する。佐藤は更に順位を上げ、41周目には9番手、47周目には一気に2台を抜き去り、6番手の車に迫るが、0.2秒差でチェッカーを受けた。

ドライコンディションでの入賞は難しいという前評判を覆し、高木、佐藤、チームとブリヂストンタイヤは22番手から7位まで順位を上げ貴重なポイントを獲得した。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「予選は良くなかったんだけど、決勝の後半に良くなったのは路面にラバーがのったから速くなったのだと思うね。22番手から7位まで順位を上げたチームとドライバーに感謝したいね。素晴らしいレースだった」

岡島慎太郎エンジニアのコメント

「天気が読みづらくて、雨雲がレーダーにチラチラ映っていたので、ウェットのコンディションも想定しなければなりませんでした。作戦の幅を持たせるという事で、最初のスティントを長めにしましたが、結果的に雨は降ったものの、路面に影響はありませんでした。高木さんもペースを落とさずに何とか上手く走ってくれたおかげで、蓮の負担が減ったのだと思います。今回はドライバーのお陰で大きく順位を上げられたのだと思っています。昨日のプラクティスで見つけたものが上手く生きたので、そういったところは失敗した予選で次回改善出来るように見直して行きたいと思います」

高木真一選手のコメント

「ボクが最初のスティントで長めに走る作戦だったんですけど、序盤はグリップが低くてペースを上げられなかったのですが、それでも2-3台抜く事が出来ました。スティント中盤はタイヤ交換でリアの2輪交換か、4輪交換にするか考えながら走り、前のタイヤを労りながら走っていました。前がいなくなってペースを上げていったら、前が辛くなってきたので、4輪交換にしました。ボクが長めに走ったので、ガソリンを沢山積む事もなく軽い状態で走れたのと、ラバーが乗ってきた事もあってトップより速く走る事が出来ました。次回はウェイトも積む事になるので、優勝は難しくなるかも知れませんが、結果にこだわって頑張りたいと思います」

佐藤蓮選手のコメント

「昨日は結果が振るわなかったので、今日の決勝に向けてチームと話し合って、決めたセットが上手くハマって、タイヤも思い通りに作動してくれたので、あのようなペースで走れたのだと思います。後半、ラバーが乗ってたというのも助けになりましたが、他の車はピックアップに悩まされていたのもあり、順位を上げる事が出来たのだと思います」

Round.3 / 2021