レポート Report

3/1000秒差でポール逃すも目標は明日の結果

開幕戦の決勝は速さもありポイントが獲れたものの予選でのポジションが良くなかったので、今回は何とか良い位置からスタートしたい。午前のフリー走行から#8 ARTA NSX-GTは好調で、福住仁嶺は2番手のタイムを叩き出している。野尻智紀のベストタイムも全体では3番手に位置するタイムを記録している。

午後の予選は開幕戦のような気温差はなく、Q1は野尻がアタックを担当した。野尻はプラクティスの好調さをキープし、2番手でQ2進出を決めた。しかし、スープラ勢は全車Q1を突破しており、NSX-GT勢では我々の車両だけしかQ2へ駒を進める事が出来なかった。

Q2を託された福住に重圧がかかる。福住はアタックのタイミングを見計らってセッション終盤にアタック。既にスープラ勢は好タイムを記録し、上位を固めていたが、ここで福住は渾身のアタックで2番手に食い込んだ。トップの車とは3/1000秒差という悔しい結果となったが、明日の決勝が楽しみとなった。


鈴木亜久里監督のコメント

「3/1000秒差は本当に悔しいね。しかし、開幕戦で予選が上手くいかなかったから、それを考えるとこのポジションは悪くないね。決勝でボク達の車は良いと思うから、明日はミスやトラブルに巻き込まれないように長距離のレースを戦って良い結果を出したいね」

ライアン・ディングル エンジニアのコメント

「3/1000秒差はとても悔しいけど、一昨年までお世話になったチームがポールポジションを獲ったのでおめでとうと言いたいです。しかし、3番手の車両とは0.5秒差あるので、予選で一発のタイムを出せる車の方向性は見つけられたと思っています。これから決勝のセットに戻して明日の準備を進めたいと思います」

野尻智紀選手のコメント

「予選が2番手ということで、明日のレースに向けてとても良いポジションを獲得出来たと思います。福住選手のアタックは非常に良かったですし、正直ここまでタイムが伸びると思っていなかったので、流石だなと思っています。明日に向けてチーム全員で何とか優勝を勝ち取りたいと思っています」

福住仁嶺選手のコメント

「フリー走行から流れは悪くは無かったのですが、不安は拭いきれてなくて予選を迎えました。Q1では野尻選手が素晴らしいアタックで2番手で通過してくれましたが、Q2では別のタイヤをチョイスしていたので不安な部分がありましたが、チームがしっかりと車を仕上げてくれたので何とか2番手のタイムを出す事が出来ました。ポールの車との差はわずかだったのですが、自分のミスもあったのでこの僅差は非常に悔しいです。しかし、優勝出来る位置にいると思いますので準備をしていきたいです」

新人の佐藤蓮が自分の走りを修正してみごとにP2獲得

新人の佐藤蓮は、速さはあるもののコーナーにオーバースピードで入って行ってしまうところがあり、SUPER GTのようなツーリングカーのタイムの出し方に慣れていない部分があった。しかし、佐藤の習熟は早かった。朝のセッションでは予選のセットで佐藤は車を走らせたが、最初からパフォーマンスが高く安定した走行を披露し、7番手を記録した。

Q1ではグループBで高木真一がアタック。気温が少し下がっていたので、タイヤを暖めるのに時間がかかってしまった。高木は終盤にタイムを出し、2番手で佐藤につないだ。

佐藤は開幕戦では、GT500車両が走った後の路面状態を把握出来ず、思うようなアタックが出来なかったが、今回はしっかりとそれを頭に入れてアタックを開始。最終的に2番手のタイムを記録したが、トップとの差は0.12秒というわずかな差だった。悔しさは残るが、明日の長距離レースに向けて好位置からのスタートとなった。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「蓮は開幕戦で予選、決勝と上手く行かない部分がありましたが、それらを糧に自ら修正してきて見事2番手の結果を出してくれました。明日は落ち着いていけば良い結果を期待出来ると思います」

岡島慎太郎エンジニアのコメント

「開幕戦のQ2で蓮が上手くタイムを出す事が出来なかったので、今朝のフリー走行では予選のセットで走ってもらいました。走り出しからバランスは良くて、セッション中のアイテムも全て良い方向に行っていて、蓮はセッションの最初から最後までとても良いパフォーマンスを発揮してくれました。なので、Q2を彼に任せました。Q1の高木さんは2番手で戻ってきてくれたのですが、グループAのタイムが速かったので、ポールまでにはまだ足りない部分があると思っていました。ドライバーと話をしてセットを変更し、上手くアジャスト出来たのでQ2で良い結果を出せたのだと思います。JAF-GTは手強いですが、我々も決勝では強いと思いますので、長丁場のレースで挽回出来ると思いますので頑張ります」

高木真一選手のコメント

「朝から予選に向けて、蓮が良い状態で予選に挑めるように準備してきました。最初から蓮も良い感じで走ってくれたので順調にセッションを終える事が出来ました。大きな変更も加えず予選に挑みました。Q1はボクが担当しました。路面温度が少し下がっていたのと、硬めのタイヤをチョイスしていたのでアタックが最後の方になってしまいましたが、グループで2番手のタイムを出せていたので、車のポテンシャルはあると感じていました。Q2は蓮に合わせてアジャストして、元気の良い走りを見せてくれてそれが好タイムにつながったのだと思います。明日は良い位置からのスタートなので、最低でも表彰台で結果を出したいです」

佐藤蓮選手のコメント

「予選については前回の岡山からの反省もあって、GT500が走った後にどういう路面になるか予測してセットを煮詰めていったら、良いパフォーマンスを発揮出来るようになりました。自分のドライビングも改善してきましたし、高木さんとチームの絶大なサポートもあり、何とかタイムを出す事が出来ました。トップとの差がわずかだったので、それに関してはとても悔しい気持ちですが、ボク達の車は決勝で強いと思いますので、明日しっかり戦っていきたいです」

結果は8位だが中身の濃い充実したレースで次戦に期待

昨年は新型コロナウィルスの影響で全8戦が300kmのレースで開催されたが、今回のレースはゴールデンウイーク恒例の500kmレースだ。3スティントのレースを存分に楽しんでもらいたいと、久しぶりの長丁場のレースにチームは万全の準備をしてスタートを待った。

スタートは福住仁嶺。2周のフォーメーションラップのあとスタートが切られた。福住のスタートは抜群で1コーナーまでにトップに躍り出る。しかし、3周目に23号車が白煙を上げストップ。SCが導入されてしまう。6周目に車両の回収が終わり、リスタートが切られた。

そのリスタートで36号車に背後に着かれ、1コーナーで抜かれてしまう。13周目あたりから300クラスのラップダウン車両が出始める。福住のラップタイムはトップと互角のタイムで走り、2秒前後の間隔で周回を重ねる。

31周目に38号車のタイヤが最終コーナー出口で外れてしまい、ここで初めてのFCY(フルコースイエロー)が出される。

FCYは今年導入されたシステムで、コース上で80km/hの速度制限があり、速度違反も管理されている。FCYは翌周には解除されリスタートが切られる。福住はトップの背後にピッタリと着いたが、ストレートで離されてしまい抜くまでには至らない。38周目にトップ車両がルーティンのピットイン。福住はその2周後にピットへ入り、野尻智紀にバトンを渡す。

FCYが導入される直前にタイミングよくピットインしたチームがいくつかあり、この時点で6番手。45周目までに4番手まで順位を上げてトップ3台を追う展開に。しかし、46周目に300クラスの車両が止まってしまい、2回目のFCYが導入される。

2周後にリスタートが切られ、野尻は抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げる。Bコーナーで決着をつけ、50周目に3番手にポジションアップ。野尻のラップタイムは速く、2番手の車と差を縮めていく。60周目には36号車の背後まで迫るが、なかなか抜く事が出来ない。

69周目にトップの車両が2回目のピットイン。野尻は2番手に浮上。76周目にトップの車両がルーティンのピットイン。野尻は次の周にピットへ入った。チームは40秒以内でピット作業を終え、福住をコースへ送り出す。トップを争う17号車とデッドヒートを繰り広げる。

81周目のセクター3で17号車を攻略し、トップを快走。徐々に差を広げていく。しかし、36号車がハイペースで差を縮めてくる。90周目には1秒以内の攻防が始まる。

しかし、300クラスの車両がコース脇でストップしてしまい、車両回収のために3回目のFCYが導入される。2周後にリスタートが切られるが、この300の車両が止まった時のイエローフラッグ区間で福住は追い越しをしてしまい、ドライブスルーペナルティを受けてしまい、7番手までドロップしてしまう。

その後はペースが上がらず、8位でチェッカーを受ける。速さはあったが、FCYのタイミングなど非常に難しいレースではあったが、このような状況でもポイントを獲得出来た事は大きい。


鈴木亜久里監督のコメント

「運が無かったと思うけど、悔しいね。速さもあったから十分勝てるチャンスはあったんだけどね。でも、あれは仕方ないね。気持ちを切り替えて次のレースの準備をします」

ライアン・ディングル エンジニアのコメント

「悔しすぎるレースでした。でも、二人とも素晴らしいドライビングをしてくれました。ストレートスピードでスープラには負けているので苦戦しました。ペナルティは非常に悔しかったけど、このような状況でもポイントを獲れましたし、ウエイトも軽いので鈴鹿ではしっかり準備をして勝ちにいきたいです」

野尻智紀選手のコメント

「昨年の富士の予選は良くて決勝は良くなくて、終盤にかけてレースで強い車を仕上げていって、そうすると予選が良くないという事があったので、今回は予選と決勝のセットを大きく分けて大胆なトライをしてそれが上手く機能してくれました。それはチームに感謝しています。ボク達が一番強いレースが出来ていたんじゃないかと思っています。でも、まだ伸びしろがありますし、最終的な結果はこうなってしまいましたが、それも自分達の足りない部分で、福住選手だけの問題では無いので、彼がもっと集中してプッシュ出来るような環境を作る事をチームとしても考えていかなくてはならないと思います。チャンピオンを目指す上で今回勝てなかったのは大きかったかも知れませんが、まだチャンスはあるので、挽回出来るように頑張りたいと思います」

福住仁嶺選手のコメント

「結果的に8位という悔しい結果になってしまいましたが、スタートで順位を上げる事が出来たのですが、SC後にリアタイヤのグリップを感じられず、順位を落としてしまいました。その後はペースを上げられましたし、車の状態もすごく良くてスープラを抜けそうなチャンスもありましたが、ペースは遅くなかったし長距離レースなので焦らずチャンスを探りながら走っていました。2ndスティントは野尻選手が素晴らしい走りで14号車を抜くことも出来ましたし、その後、ボクに代わった時は給油時間も短く、タイヤの暖まりも良かったので、17号車の前に出る事も出来ました。しかし、その時に17と接触してしまい、ダメージがありバランスが良くなかったのですが、それを抑えながらの展開も悪くなかったのですが、300の車両が横に並んでいる状況でポストでイエローが振られていたようですが、ボクにはそれが全く見えなくて、それが原因でドライブスルーペナルティを食らってしまい、結果的に8位になってしまい申し訳ない気持ちでいっぱいです。落ち込む結果ではありますが、車のパフォーマンスは非常に良かったので気持ちを切り替えて次回に向けて頑張りたいと思います」

マシンのセット不足を二人のドライバーが見事にカバーして3位表彰台

スタートは佐藤蓮。無難なスタートで2番手をキープしたが、2周目には3番手にポジションを落としてしまう。3周目に500クラスの車両が白煙を上げて2コーナー先でストップしてしまいSCが導入される。6周目に車両の回収が終わり、リスタートが切られた。 佐藤は3番手をキープしたまま周回を重ねる。13周目あたりからリアタイヤのグリップダウンを訴えてきたが、ラップタイムを落とす事なくトップ2台に食らいついて行った。

しかし、30周目に500クラスの車両のタイヤが外れてしまい、導入後初めてのFCYが運用された。32周目にリスタートが切られ2番手の背後でチャンスを伺う。膠着状態が続いたのでチームは予定より1周早い34周目に佐藤をピットに入れた。チームは素早くピット作業を終え、高木真一をコースへ送り出した。高木は14番手でコースに復帰する。

実際の順位は9番手ぐらいとピットから無線が入る。高木は43周目に7番手までポジションアップ。しかし、次の周に9号車がコースアウト。2回目のFCYが導入される。

46周目にリスタートが切られ、高木は前車の動きを見ながら、47周目に5番手へ順位を上げる事に成功。53周目には更に順位を上げ4番手。3番手の車との差は大きかったが、徐々に差を縮めていき、61周目のセクター3で捉える事に成功し3番手にポジションアップ。

ここで2回目のルーティンのピットインを行うチームが出始め、65周目にトップに出る。徐々に気温が下がってきたので、高木はチームに3スティント目に使うタイヤの種類の指示をした。71周目に2回目のピットインを行い、佐藤に最後のスティントを託した。

佐藤は74周目までに2番手まで挽回。トップを追うが、84周目には4番手までドロップしてしまう。89周目にAコーナー手前でストップしてしまった車両回収のために3回目のFCYが導入される。2周後にリスタートが切られる。

終盤はタイヤのグリップが落ちて厳しかったが、ラップタイムは1分38秒前半でトップと同じペースで周回を重ねる。96周目にトップ車両がスローダウン。3番手に浮上し、残りの10数周を上位3台でトップ争いを繰り広げたが、惜しくも3位でレースを終えた。しかし、今季初の表彰台を獲得する事に成功した。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「二人共良いレースをしてくれた。JAF-GTが速すぎたけど、それに食らいついて行く事が出来たのは大きな収穫だね。FCYなど非常に難しい状況もあったけど、そんな中で良く戦えたと思います。次の鈴鹿ではもっと良い結果を出したいね」

岡島慎太郎エンジニアのコメント

「レースとしては正直かなり苦しかったですね。ウォームアップからレースに向けてアジャストしていったのですが、昨日のコメントと比べても予選とコンディションが大きく違っていたので、それに対応出来なかったのが正直な気持ちです。ドライバーは二人共最初から最後までオーバーステアに悩まされていたようなので、上手くアジャスト出来なかったのかなと思います。予選で目標としていた順位は達成出来たと思いますし、レースとしても最低限のノルマを達成したので、ここから気を引き締めてポイントを獲り続けて改善していきたいと思います」

高木真一選手のコメント

「3位表彰台を獲れて最低限の結果は出せたと思います。車は持ち込みから良い状態だったのですが、決勝は少し不安が残っていました。昨年の年末からの流れのセットアップだったので、それを修正しながらセットを進めていきました。結果的にはトップ3と同じタイムかそれ以上のパフォーマンスを出せたのですが、車両が重いせいかタイヤ無交換という作戦を取れなかったので、そういう事をクリア出来ればトップにも行けたのでは無いかと思います。蓮は岡山で洗礼を受けてしまいましたが、今回はプラクティスから予選、決勝を完全にGTの運転が出来るようになりましたし、スタートも自分からやりたいと言うぐらい自信を持ってきたようです。接触もなく、しっかり最後まで車を走らせてくれたと思います。ボクのスティントも蓮のコメントを聞きながら、アジャストする事も出来ましたし、4輪交換して順位を落とした分も取り返す事が出来たので車のパフォーマンスは高かったと思います。最後、気温が下がってタイヤを柔らかめを選んで勝負に出たのですが、ライバルも同じぐらいのパフォーマンスだったので、それを考えるとトップ3台はギリギリの戦いをしていたんだと思います。非常にハイレベルの戦いだったので、3位は良い結果だったと思います。ここからまたしっかり戦って、チャンピオンを獲れるように頑張りたいと思います」

佐藤蓮選手のコメント

「ボクは1stスティントと3rdスティントを担当させて頂いて、両スティントとも序盤は苦しかったです。それは燃料の重さによるセットが合わなかったところがあると思います。2回ともJAF-GT車両に抜かれてしまいました。3rdスティントは後半ペースを上げる事が出来たのですが、オーバーテイクには至らず、少し悔しい結果になってしまいました。現状で出せるベストの結果は出せたと思いますし、表彰台に立ててポイントを獲得出来てポジティブな内容だったと思います。次回もポイントを獲得して、最終戦の富士でチャンピオン争いが出来ているように戦っていきたいと思います」

Round.2 / 2021