レポート Report

クルマの性能は全て引き出して予選は5位、明日はロングをきっちりと戦いたい

昨年の第2戦富士大会でARTA NSX-GTは惜しくも優勝を逃したが、富士との相性は良い。

午前は2番手でセッションを終え、予選に期待がかかる。

今回のQ1のアタッカーは福住仁嶺選手。思ったより気温が上がらなかったので、福住はしっかりとタイヤに熱を入れてアタックへ入っていった。福住は見事3番手のタイムを叩き出し、野尻智紀選手につないだ。

野尻は1周目のアタックで5番手のタイムを記録し、更にもう1周アタックを行い、ひとつポジションを上げる事に成功した。しかし、2周目のアタック中に4輪脱輪してしまい、4番手のタイムは抹消となってしまい、1周目に出した5番手のタイムで予選を終えた。

明日は長距離レースなので、5番手スタートは悪く無いポジションだ。昨年の屈辱を晴らし優勝を狙いたい。


鈴木亜久里監督のコメント

「ドライバーやエンジニアは悔しがっていたけど、悪く無い予選だったね。タイムが僅差でレベルが高かくてとても面白い予選だった。ウチの車は決勝のセットは良いので、良い結果を出せるように頑張ります」

ライアン・ディングル エンジニアのコメント

「ポールポジションを狙っていたので、この5位は悔しさがありますね。今回の最初から流れ的に悪く無かったですし、ドライバーとのコミュニケーションも良く、ショートもロングも良いデータが取れたと思っています。予選では2人のドライバーは車のポテンシャル引き出してくれたのにこの結果なので、より良いセットアップ考えなくてはなりませんね。今からは明日のレースに向けて上を狙えるように準備していきます」

野尻智紀選手のコメント

「ドライビング的にもうちょっとタイムを出せたかなとは思いましたが、車やタイヤのポテンシャルは引き出せたと思っています。明日はここから上を狙えるように準備をしていきたいです」

福住仁嶺選手のコメント

「今回はフリー走行の流れからいくつか不安はあって、予選のアタックは満足できない部分もありましたが、3番手でQ2につなげる事が出来たのは良かったと思っています。野尻さんは素晴らしいアタックで、結果的に5位に終わりましたが、ポジションとしては悪く無いので、明日に向けてしっかり準備していきたいです」

前回よりも大幅に進化。改善すべき点はまだまだあるが、明日はしっかり上を狙う

ARTA NSX GT3は、この富士に乗り込む直前に鈴鹿で行われたテストに参加した。

このテストでは色々なセットを試す事が出来て、良いセッティングを見つける事が出来たようだ。

走り出しからバランスは良さそうで、午前は9位でセッションを終えた。

Q1に向けて車のアジャストを進め、木村偉織選手をA組の予選に送り出した。木村は3周のウォームアップの後にアタックラップへ入っていった。見事6番手のタイムを出して武藤英紀選手につないだ。

Q1では少々アンダーステアが出ていたようだが、Q2開始までに車をアジャストして武藤を送り出した。

路面温度は更に下がっていたようで、なかなか熱が入らず苦労した武藤だったが、Q1よりタイムアップする事に成功。最終的に10番手でQ2を終え、明日は5列目からのスタートとなる。

ロングディスタンスのセットは良さそうなので、表彰台を狙って行きたい。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「岡山よりはだいぶ進歩しているね。車は速くなっているんだけど、他の車の速さの上り幅が大きいので、予選で上位に行けるように改善していかなければならないね。しかしながら、決勝はロングのセッティングが非常に良いので追い上げて結果を出したいね」

岡島慎太郎エンジニアのコメント

「事前に行われた鈴鹿のテストで良いセットが見つかったので、そのセットをベースに組み立てて走り出しました。フィーリングも良さそうで、岡山で抱えていた問題も改善され、良い方向に向かいました。Q1は木村選手が通過しましたが、Q1はレベル高く、1/100秒内に4-5台いるような状況でした。車はアンダー強かったので、Q2に向けてアジャストして武藤選手を送り出しました。タイムは向上しましたが、周りと比べてパフォーマンス不足を感じたので、もっと車を改善していかなくてはならないと思っています。しかしながら、明日は戦略の幅があり、車のロングパフォーマンスは良いので戦略+αで上位進出を狙います。応援宜しくお願いします」

武藤英紀選手のコメント

「今回はQ2を担当しました。木村が6番手でQ1を通過してくれましたが、チームはQ2に向けて更にバランスを向上させる為に色々と車のセットを考えてくれたので操縦性は更に向上しました。Q2では路面温度が下がってしまいタイヤを発動させるのが難しかったというのもありますが、タイヤの性能をうまく引き出す事が出来ませんでした。そんな状況下でも10番手のタイムを出せたのは悪く無いと思います。車のセットはロングが良いので、必ず追い上げる自身がありますので、明日のレースが楽しみです」

木村偉織選手のコメント

「開幕戦では1発の速さが無かったので、ロング(レース)で巻き返そうという流れだったのですが、今回はQ1を無事に通過する事も出来て、確実に車のパフォーマンスや流れが向上していると感じました。明日は10番手からのスタートですが、ロングのセットは良いので、しっかり戦って良い結果を出したいですね」

荒れたレースでイエロー・チェッカー。優勝はしたものの、次回はしっかり走りきって結果を出したい。

例年、第2戦の富士大会のレース距離は500kmで行われていたが、今回は初めての450kmのレースとなる。50km短くなることで、どのような影響が出るのだろうか。2回のピットインと給油は義務だが、タイヤ交換についてはチームによって様々な戦略を組む事が許されている。ドライバー交代も自由で、今までにないレース展開が見どころになりそうだ。

スタートドライバーは福住仁嶺選手。2周のフォーメーションラップのあと、450kmレースのスタートが切られた。

福住はクリーンスタートを切ったが、1周目はひとつポジションを落として6番手。しかし、3周目には挽回し、5番手にポジションを戻すことに成功。6周目から早くも300クラスの周回遅れが出始めるが、大きな順位変動はなかった。レースが動き始めたのは26周目からだ。ルーティンのピットインを始めるチームが出始め、福住は4番手、28周目には3番手まで順位を上げる。福住は前が空いた状態でペースを上げていく。

34周目にポジションを2番手にあげ、36周目にルーティンのピットインで、野尻智紀選手に交代。給油、タイヤ交換を行いコースへ送り出し、9番手でコースに復帰。順位を争っていた車両の前に出る事に成功した。

42周目に5番手までポジションを上げたが、ヘアピンで300クラス車両のクラッシュがあり、FCYが出たが車両回収のため、セーフティーカーが導入される。しかし、ヘアピン内側のクラッシュパッド、ガードレールの損傷が酷く、48周目に赤旗で中断となってしまう。

修復が完了し、52周目にリスタートが切られた。1コーナーで前車がオーバーランし、野尻は難なく4番手にポジションアップ。しかし、59周目のストレートでスロー走行している300クラス車両を避け切れずに他車がクラッシュして、今回2度目の赤旗中断となってしまった。

クラッシュ車両やガードレールの修復が完了し、18:10にレースが再開されたが、レース終了時刻が18:20のため、セーフティーカーが入ったままチェッカーが振られた。

レース再開時に野尻は3番手を走行していたが、1番手と2番手の車両がペナルティを受けてしまったため、ARTA NSX-GTは今季初優勝となった。なお、レースは規定周回数を満たしていないので、チャンピオンシップポイントは半分となる。


鈴木亜久里監督のコメント

「危険なクラッシュがあったけど、まずはドライバーが無事で良かった。自分たちのレース運びは悪く無かっただけに、最後までしっかりレースを走り切りたかったね。次回、また頑張ります」

ライアン・ディングル エンジニアのコメント

「まずはクラッシュした選手が無事でよかったです。今週末はチーム的にはいい流れだったし、予選もアグレッシブに攻めてタイムも出せてスタート位置は悪く無かった。今日に向けては昨晩、ドライバーとエンジニアチームはレースに向けてセット、戦略のコミュニケーションがうまく出来たと思います。二人のドライビングも頑張っていて、いいところを見せてくれました。作戦的には終盤有利になるはずだったので、それも見たかったし、車の調子も良かったので、普通に最後までレースが出来なかったのは残念です。野尻のアウトラップもすごく良くて、トップグループでレースを展開出来ていたのは大切な事でした。次回の鈴鹿は先月テストもあったので、良いセットを持ち込んで表彰台に乗れるようにしたいです」

野尻智紀選手のコメント

「結果としては優勝で喜ぶべきことではあるのですが、色々な事があったので素直に喜べないところもありますが、シーズン考えると重要な結果だったと思います。次こそは自分たちの力だけでレースに勝ち切れるように頑張りたいと思います」

福住仁嶺選手のコメント

「いつもと違った形でレースを終える事になりました。結果的に優勝でハーフポイントではあると思うのですが、チームも良い車を用意してくれて上位でレースが展開出来る車だったと思うので、この結果が出せたのだと思います。今回のレースで得たものも多いと思うので、次回のレースに生かせればと思います」

レースのペースは良かったが、残念な接触でリタイア。次回に期待。

今回、初めて導入される450kmレース。2回のピットイン、給油が義務付けられるが、タイヤ交換は自由だ。ドライバー交代も自由で、各チームの戦略で大きく順位が変わる要素が含まれている。

ARTA NSX GT3のスタートドライバーは武藤英紀選手。1周目は順位をキープして10番手でストレートを通過。ペースは良く、3周目には9番手に浮上。武藤のペースはトップグループと同じぐらいで、5周目には8番手までポジションアップ。しばらく8番手をキープしたまま周回を重ねるが、26周を過ぎたあたりからルーティンのピットインを始めるチームが出て、武藤は27周目に7番手を走行。武藤のペースは非常に良い。

ここでチームからピットインの指示が出て、29周目にピットイン。木村偉織選手に交代。給油、タイヤ交換を行い、コースへ送り出す。木村は17番手でコースに復帰。タイヤの温まりもよく、ラップタイムは良い。

しかし、33周目のヘアピンで他車と接触してしまう。ステアリングが切れなくなり、ピットに戻ったが、残念なリタイヤとなってしまった。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「レースでは気温と路面温度が我々のタイヤと合っていた部分があり、ペースもトップグループと同じくらいのタイムだったので、後半は上位に行けるだろうと思っていたら、接触してしまいました。速さがあっただけに、非常に残念ですが、次に向けて頑張ります」

岡島慎太郎エンジニアのコメント

「昨日のフリープラックティスのロングランセットは良くて、ウォームアップはそれと同じ状態だったので、アジャストしていきました。若干、オーバーステアの症状がありましたが、レースでは上位陣のペースと比べても遜色ないペースだったので、後半にチャンスがあると思っていました。武藤さんから偉織に代わるときに4輪交換していったのですが、9号車と接触してしまい残念なリタイヤとなってしまいました。しかし、富士はもう1回あるので、今回のデータを参考に次回の富士に生かしたいです」

武藤英紀選手のコメント

「正直もう少しペースを維持したかったのですが、思った以上にペースを上げる事が出来ませんでした。500クラスが絡んできた時に順位を落としてしまいましたが、ストレートスピードを生かして順位を挽回したりしていました。ペースは安定していましたが、もう少し高いレベルで安定させたかったです。自分のスティントでは現在持てる力は出せたのではないかと思います。後半は気温が下がるので、自分たちに有利に働くと思いましたが、次、頑張ります」

木村偉織選手のコメント

「武藤さんからバトンを受け取って、自分が2スティントを走る作戦で最後まで車を運ぶということを第一に決めていました。結果的に接触してしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいです。接触が自分の原因じゃないとしても、自分がもっと周りを見ていれば避ける事が出来たアクシデントかも知れません。もっと色々な可能性を俯瞰してみていかないとこのGTでは生き残れないと強く感じました。次も頑張ります」

Round.2 / 2022