2024年の開幕を迎えた岡山国際サーキット。例年より気温が高いが、天候も良く、絶好のレース観戦日和となった。今年のドライバーラインナップは、野尻智紀選手と松下信治選手。松下選手は他チームから移籍してきた、才能豊かな選手だ。今季デビューするCIVIC TYPE R-GTとともにチャンピオンを目指したい。
開幕前のテストでは、色々な試みを行い、最後のテストで行われた新方式の予選シミュレーションではトップタイムを記録。良い状態で開幕戦を迎える事になった。
さて、その新方式の予選だが、ノックアウトがなくなり、Q1、Q2の合算タイムにより予選の順位が決まる事になった。また、タイヤは基本的に、Q1とQ2は同じタイヤを使わなくてはならない。
果たしてどのような結果になるか。Q1のアタッカーは松下信治選手。セッション終了間際にコントロールラインを通過しアタックへ入っていった。
午前のセッションを2番手で終えたので、当然の事ながらトップを狙っていたが、勢いあまり最終コーナーで4輪脱輪してしまった。タイム自体は10番手のタイムを記録したが、タイム抹消となり、ピットからのレーススタートとなる。
明日は後方から追い上げるレースを展開したい。
「セクター2までは悪くても5-6番手以上という手応えがあったね。しかし、最終コーナーで4輪脱輪してしまったけど、あれは怒れないね。攻めたうえでの4輪脱輪は仕方ない。良く攻めたと思う」
「午前中から調子が良かったので、予選は期待していました。セクター1、セクター2でとても良い走りをしてくれたのですが、セクター3で4輪脱輪してしまい、勿体なかったですね。明日はピットスタートになってしまいますが、追い上げられるように頑張ります」
「車は非常に良さそうで、テストからの状態を見ても一番の仕上がりだと思いますし、明確な改善も見られているので、そこはポジティブな点だと思っています。決勝は厳しい状況になってしまいましたが、それをポジティブに捉え、積極的なレースをして、次のレースに生かせるようなレースをしていきたいです。引き続き集中していきますし、場合によっては大きなチャンスも出てくると思いますので、諦めずに取り組んでいきます」
「車は凄く良くて、セクター1、セクター2は多分トップレベルのタイムを出せていたと思うのですが、マイクナイトコーナーでジャンプしてしまい、そこでは4輪脱輪していなかったのですが、その勢いで最終コーナーに入って行ってしまい、そこで4輪脱輪してタイム抹消となってしまいました。車の仕上がりは本当にトップレベルだと思いますし、明日の決勝へ向けても良い戦略があると思いますので、ピットスタートではありますが、何とか追い上げたいと思います」
今年新たに加わった佐藤蓮選手は、2021年にARTAのGT300クラスのドライバーとして戦っていたが、GT500クラスのドライバーとして、ARTAに戻ってきた。
経験豊かな大津弘樹選手とともにチャンピオン獲得を目指す。
開幕戦前の最後のテストで行われた新方式の予選シミュレーションで、#16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTは、8号車に続く2番手という好タイムで終えた。
土曜日午前中のセッションはトラブルもなく順調にメニューを消化し、9番手で終え、新方式の予選を迎える事になった。
Q1は佐藤選手が走る事になった。GT500クラスで初めての予選を12番手で終えた。車の状態は午前より改善されていたようだが、更に改善する必要があり、セットをアジャストして、Q2の大津選手につないだ。
大津選手はQ2の残り時間4分30秒でコースイン。Q1の佐藤選手のコメントが生きたのか、車のバランスは更に向上したようで、タイムを0.3秒縮めて8番手で予選を終えた。
明日は更に上位を目指せるように戦いたい。
「午前中がちょっと足踏み状態だったね。でもチームが改善点を見つけてくれて、このチームの実力の高さを改めて確認出来たね。明日は更に良い状態で挑めると思うので、しっかりとポイントを稼ぎたいね」
「今の16号車が持っている力を精一杯出せたと思う。ここから更に力を出していき、シリーズチャンピオンを争えるようにしたいね」
「午前中はバランスが良く無くてタイムも出せていませんでした。Q1もアジャストしきれていなくて、Q2前にセット変更をして、タイムを縮める事が出来ました。対応が遅れたのが勿体なかったですね。シビック初めてのレースではありますが、安定して走り、結果を出せるように頑張ります」
「午前中はあまり良く無かったのですが、予選までにチームが車を改善してくれたので、ボクのQ2については蓮のコメントからアジャストして更にバランスが改善されていました。今回この初めてのフォーマットで予選に挑みましたが、ワンアタックのユーズドでアタックするというのが未知数でしたが、今回経験が出来たので次につながる予選だったと思います。明日に向けても、今日大幅に改善出来たところを明日にも生かせると思うので、良いレースが出来るように頑張りたいと思います」
「GT500初めての予選が終了しました。公式練習ではあまり良くありませんでしたが、Q1、Q2にかけて段々車が改善されていきました。最終的には、大津選手がタイムを稼いでくれて8番手からスタートする事が出来ます。自分の予選に関してはミスもあって、見直すところがありますが、気持ちを切り替えて明日は走り切ってポイントを獲得したいと思います」
昨日の予選のタイム抹消により、ピットからスタートする#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTは野尻智紀選手がスタートドライバーを務める。
パレードラップを行ったあと、ピットインしてスタートを待った。500クラスのスタートが切られ、ピット作業が許可されたタイミングで、8号車はパレードラップ分の給油を行い、ピットを出ていった。
300クラスが通り過ぎたあと、コースイン。
1周目に他車がコースアウトでいきなりセーフティーカーが導入された。
3周目にメインストレートで隊列を整える為に、全車停止。これにより8号車は300クラスの集団を抜くリスクを避ける事が出来、500クラスの最後尾につける事が出来た。更に他車の接触もあり、12番手まで順位を上げた。
7周目にリスタートが切られた。野尻選手は11番手にポジションをあげ、前車を追った。
20周目の1コーナーで、ひとつ順位をあげ、ポイント圏内の10番手にポジションアップ。21周目には更にポジションをひとつ上げて、9番手を走行。29周目あたりから、ルーティンのピットインを行うチームが出始めた。
8号車は32周目にピットイン。ミスなくピット作業を終え、松下信治選手を送り出す。40周目の時点で順位は9番手。45周目に前車を抜き、8番手にポジションアップ。
64周目まで順調に周回を重ねたところで、300クラス車両がコース上にストップしてしまい、FCYが導入された。 車両回収は直ちに完了し、翌周の66周目にFCYは解除され、リスタート。その後は前車を追ったものの、順位を上げる事が出来なかった。しかしながら、最後尾からのスタートで8位でチェッカーを受けてポイントを獲得する事に成功した。
「1周目にSCが入って、500クラスの集団の後ろにつけたのはラッキーだった。余計なリスクが減って、戦えるポジションに来られたからね。でも、全体的なペースがもう少し欲しいので、次までにセットを見直して、トップ争いが出来るように頑張ります」
「予選で4脱してピットスタートだったのですが、それでもポイント圏内に入れたのは良かった。チームとドライバーは良く頑張ってくれたね」
「あのポジションから上がれたのは良かったですが、まだまだ足りないところがあるのでデータを見直してセットを詰めていきたいです」
「何とかポイントもとれましたし、自分たちがやれることは出来たと思います。次、勝てる体制を整えて頑張ります。応援して下さい」
「最初にセーフティーカーが出てくれて、野尻選手が集団に追い付いてボクに渡してくれたのは、このレースでとても良かったところですね。そこからは結構単独で走っていて、前半はペースに課題があったかと思います。後半のペースは良かったですが、決して一番速い訳ではないので、タイヤ、セット、ドライビングの3つを見直して次頑張ります」
昨日の予選では、車のバランスが大幅に向上した#16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTは、ウォームアップ走行で決勝のセットを確認して、スタートを待った。
スタートドライバーは大津弘樹選手。順位を落とさずスタートを切ったが、1周目に他車がコースアウト。セーフティーカーが導入される。この時点で大津選手は7番手。
3周目にメインストレートで隊列を整える為に、全車停止。セーフティーカーの先導で周回を重ねる。他車の接触もあり、6番手のポジションを手に入れた。7周目にリスタートが切られた。6番手をキープしながら、順調に周回を重ねていった。
ペースは安定していたが、トラフィックの中、19周目の1コーナーで順位をひとつ落としてしまう。35周目にルーティンのピットインを行ったが、左側前輪のタイヤ交換で手間取ってしまい、タイムをロスしてしまった。
2スティント目は佐藤蓮選手がドライブ。40周目の時点で順位は10番手。前車のピットインにより、52周目には9番手に浮上。佐藤選手のペースは良かったが、なかなか順位を上げるところまでは行かなかった。
65周目に300クラス車両がコース上に止まってしまいFCYが導入された。速やかに車両回収が済み、66周目にFCYは解除され、リスタート。
佐藤選手は速いペースで順調に周回を重ねたものの、前車を抜くまでに至らなかったが、9位で500クラス初のポイントを獲得する事に成功した。
「タイヤ交換に手間取ってしまったのが痛かったね。どうすればミスが起こらないようになるか、きちんと検証しなくちゃね。また、1スティント目はペースが上がらなかったから、これも見直して、次回までに準備します」
「タイヤ交換でミスがありましたが、後半は良いペースで走ってポイント獲得してくれたので、良かったね。しかし、まだ全体的にペースが良くないので、次までに改善しないとね」
「1スティント目はペースが悪くて、離されるような展開になってしまいました。後半は良いペースで走れていたのですが、同じタイヤをチョイスしていたので、その差が何なのか調べないといけないですし、トップと比べるとまだペースが足りないので、データを見直したいと思います」
「序盤は混戦で、うまく切り抜けて順位を上げられましたが、その後はペースを上げるのが難しかったです。後半は大きく順位を落とさず、蓮に渡す事が出来たですし、蓮のペースも良くてポイントもとれたので、次のレースにつながる内容だったと思います」
「デビュー戦でポイントをとれたのは良かったです。ピットのミスはあったのですが、逆にプレッシャーを感じる事なく走れたので、今後に向けて良い開幕戦だったと思います。ペースも良くてポジティブな内容でしたし、次の富士はテストでも良かったので頑張ります」
鈴木亜久里監督のコメント
「ノブは勢いがありすぎたね。抜くのが難しいこのサーキットで、後方からのスタートはもちろん厳しいけど、ノブの熱い気持ちが伝わってくる予選だった。去年のこのレースは、ほぼ最後尾から追い上げて表彰台を獲得出来たから、諦めずに上を狙って行きます」