レポート Report

Q2進出はできなかったが、決勝でのセットは良さそうなので、まずはきっちりとポイントを狙っていきたい

昨年はシリーズランキング2位で終えた#8 ARTA NSX-GT。今季こそチャンピオンを獲得すべく、この岡山国際サーキットに乗り込んできた。

ドライバーは今年も野尻智紀、福住仁嶺のコンビで、この組合せで3年目を迎える。今年の#8 ARTA NSX-GTはNSX Type Sをベースにアップデートされ、オフシーズンのテストから順調にメニューを消化し開幕戦を迎えた。

午前のセッションは予選、決勝に向けたセットの確認を進め、順位は満足のいくポジションでは無かったが、ドライバーのフィーリングは悪くは無さそうだ。

迎えたQ1は野尻智紀がアタックを担当。先週行われたSUPER FORMULA第2戦で優勝を収めた野尻は現在最速ドライバーと言っても過言ではないだろう。

野尻はエンジニアからの合図でコースイン。今年、最初のアタックへ入っていった。野尻のタイムは午前のセッションで出したタイムより良かったものの、10位でQ1を終え、惜しくもQ2進出はならなかった。

決勝のセットは悪くないので、明日は10番手から表彰台を狙って行く。


鈴木亜久里監督のコメント

「今年も同じ体制で戦って行きます。昨年は2勝出来たので、今年は2勝以上、全戦ポイント獲得を目標にチャンピオンを狙って行きたいね。
今年最初の予選はQ2へ進出出来なかったけど、車の状態は悪くないし、決勝のセットは良さそうだから、それほど悲観していない。開幕戦は荒れる事が多いから、トラブルに巻き込まれないように最後まで走り切って結果を出したいね」

ライアン・ディングル エンジニアのコメント

「この順位はもちろん満足ではないのですが、車のバランスやタイヤのパフォーマンスに大きな問題は無いですし、決勝に向けてはポジティブな気持ちです。良い準備が出来ると思いますので、明日は順位を上げていきたいですね」

野尻智紀選手のコメント

「Q1のタイムがフリー走行のタイムより上がったのは、車の改善もあったし、ドライビングも悪いところは無く、今の状態でのポテンシャルを出し切る事は出来たと思っています。と言ってもQ1を突破出来なかったので、それを受け入れつつ、明日の決勝をどうやって巻き返すかを考えて行きます。昨年も下位からポジションを上げる事が出来ましたし、今朝のフリー走行で決勝へ向けたセットでの走行も出来ているので、明日、強く戦えるように頑張ります」

福住仁嶺選手のコメント

「パフォーマンスだけで言うと、フリー走行の時からずば抜けて速いというわけではありませんでしたが、予選に向けてアジャストすればQ2には行ける印象はありました。しかし、予想よりライバル勢のタイムの上り幅が大きかったのは想定外でした。車の状態やバランスは悪くないので、何が足りなかったのかを確認して明日のレースに向けて準備していきたいです」

ドライバーをふたりとも一新、早期に新体制に慣れて上位陣に食い込みたい

今年はドライバーを一新し、2011年にARTAの500クラスで起用していた武藤英紀をエースドライバーに迎え、新人の木村偉織との組み合わせで戦って行く。木村は昨年のFIA-F4で好成績を残し、今年はSUPER GTデビューイヤーとなる。

車両については、今年#55 ARTA NSX GT3はリア周りのボディワークにわずかな変更があり、アップデートした車両でテストを重ねてきた。パフォーマンスは向上しているようだ。

午前のセッションでのタイムは昨年と比較すると良いタイムだが、全体で見ると満足が行くものではなかった。チームは予選に向けて車のアジャストを行って準備を進めた。

今年最初のアタッカーは武藤英紀。Q1はAグループ、Bグループに分けられ、#55 ARTA NSX GT3はAグループでの出走だ。武藤はタイヤにしっかり熱を入れる為に、ウォームアップを入念に行いアタックへ入っていった。ほぼノーミスで2周のアタックを終えた武藤だったが、10位でQ1突破はならなかった。しかしながら、決勝へ向けたセットは非常に良いので、明日は大きくポジションを上げて行きたい。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「我々の300クラスのドライバーを二人とも新しくするのは初めてなので、色々な事に慣れるまでの時間は必要だと思っていました。Q1と突破出来なかったことは残念ですが、タイムが出なかった原因は究明して、決勝に向けた準備をしていきます」

岡島慎太郎エンジニアのコメント

「今日は走り出しからなかなか良いタイムが出なかったのですが、専有走行で木村が乗った時はS1が速くて手応えもありましたし、ユーズドでのパフォーマンスは高かったのに、Q1を突破出来なかったのは残念でした。しかし、ユーズドタイヤのパフォーマンスは他と比べても悪く無さそうなので、ポイント圏内フィニッシュを目指して頑張りたいと思います」

武藤英紀選手のコメント

「さすがにQ1は突破出来るだろうと思っていたので、ショックは大きいです。とはいえ、もうちょっとドライビングで引き出せる部分もあったかも知れませんし、セットアップでも改善できる部分もあったかも知れないので、チームとミーティングして、しっかり見直したいと思います。偉織につなげなかったのは申し訳ないと思っていますが、車が決勝に合っちゃっている部分もあると思うので、決勝で前に行けるようにしっかり準備していきたいですね」

木村偉織選手のコメント

「初めてのGTのレースウイークでしたが、今まで経験していたレースは木曜日から走行があって、身体を徐々に慣らして行って、車のフィーリングも掴んで土曜日に予選という流れでしたが、午前の公式走行でセットをハイペースで決めていくレースウイークは初めてで、自分の準備が足りて無かったというのは感じています。ドライビングについてもSUPER FORMULA LIGHTSからGT3に合わせていく気持ちの入れ方が甘かったというのが公式練習での反省点です。専有走行で予選シミュレーションさせてもらったときは今までで最も良い走りができたと思っていたので予選を走れなかったのは残念でしたが、武藤さんは予選で車のポテンシャルを最大限引き出していたと思いますし、素晴らしい走りをしていたと思いますので、僕たちに何が足りなかったのか究明して明日の決勝で追い上げていきたいです」

抜きどころなく予選でのパフォーマンスが重要、貴重な1点を着実に獲得

スタートドライバーは福住仁嶺。2周のフォーメーションラップの後にスタートが切られた。福住は11番手で1周目を終える。10周目には10番手にポジションアップ。ペースは良い。開幕戦としては珍しく、大きな順位変動もなく、レースが続いていく。

福住の無線によると車のバランスは良さそうだ。29周目にルーティンのピットインを行い、野尻智紀に後半を託した。

野尻は13番手でコースに復帰。なかなか順位変動が無い中、野尻は46周目にベストラップを叩き出し、前車を追っていく。ピットインした車もあり、52周目に11番手に浮上。10番手との車のギャップは1秒以内でポイント圏内まであと少しだ。

65周目に前方で接触があり、ここで10番手に順位を上げた。その接触した車が1コーナーでクラッシュしてしまい、67周目にFCYが導入される。68周目には解除されリスタート。

76周目に300クラスで接触があり、77周目に2度目のFCYが導入される。78周目に解除され、リスタート。

野尻は最後までプッシュし続け、前車を抜くことは出来なかったが、10位でチェッカーを受け貴重なポイントを獲得することが出来た。次回は我々が得意な富士スピードウェイ。ここで今季初優勝を目指したい。


鈴木亜久里監督のコメント

「全てのチームがハイレベルなレースを展開していたから、なかなか抜くことが出来なかったね。ここのコースは抜くのが難しいから、やはり予選のポジションが大きかった。次回の富士は僕たちの得意なコースだから、何とか結果につなげたいね」

ライアン・ディングル エンジニアのコメント

「ドライバー2人とも頑張ってくれて1ポイント獲れました。当然、我々は1ポイントを獲りに来た訳じゃないですが、流れ的にはチーム内のコミュニケーションなどは去年よりは良くなっていると思うし、冷静にデータを分析すれば富士でよい戦いが出来ると思っています。昨年も富士ではよいところがありながら、優勝出来ていないので、次回は勝ちに行きたいと思っています。しっかり準備していきたいと思います」

野尻智紀選手のコメント

「ペースは悪く無かったと思いますが、前を蓋をされてしまうとどうにも出来なかったかなと思います。とはいえ、もう少し改善出来るところがあるので、次のレースまでに修正出来ると思っています。1点ですけど、何とかポイントも獲れましたし、ここから積み上げて行きたいと思っています。同じNSXの#100が2位でしたので、悔しさはありますが、それも乗り越えて次、頑張りたいと思います」

福住仁嶺選手のコメント

「最初のスティントを走っていましたが、序盤に#19を抜こうとした時に2コーナーではじき出されてしまい、1つ順位を落としてしまいました。すぐに抜き返すことは出来ましたし、車のバランスもウォームアップより改善されていたので、ここから追い上げていこうと思ったところで、なかなかタイミングが合わずオーバーテイクが難しかったです。後半、野尻さんに代わって素晴らしい走りをしてくれて何とかポイントを獲れました。課題も見つかったので、次のレースに生かしていきたいと思います」

後方から追い上げてトップ10に食い込むが、最後の追突でペナルティ受け15位

スタートドライバーは武藤英紀。クリーンなスタートを切り、1周目は23番手でストレートに戻ってきた。3周目には22番手にポジションを上げるが、ここからなかなか順位を上げるのが難しくなってきた。25周目あたりから、ルーティンのピットインをするチームが増えてきた。ルーティンのピットインを行うまでに武藤は14番手まで順位を上げ、30周目にピットイン。木村偉織に交代。
木村は21番手でコースに復帰。他車のピットインもあり、36周目には18番手までポジションを回復。木村は膠着状態が続き、なかなか順位変動がなかったが、45周目に15番手、46周目に14番手と少しずつ順位を上げて行く。木村は安定したタイムで前車を追っていく。前車の脱落もあり、55周目には13番手にポジションアップ。

61周目に前方で接触があり、63周目にFCYが導入される。順位はひとつ上り、12番手となる。64周目に解除され、リスタート。木村は66周目にベストラップを出して前車を追っていく。

67周目から数台のデッドヒートとなり、69周目にポイント圏内の9番手にポジションアップ。翌周には更にポジションを上げて8番手。しかし、71周目のヘアピンで木村は前車に追突してしまう。これによりFCYが導入される。

73周目に解除され、リスタート。車両はボンネットが破損しているものの、走行を継続。9番手にポジションを落としてしまう。そのままチェッカーとなり9位でチェッカーを受けたが、90秒のペナルティを受けてしまい、最終的には15位だった。しかし、見事な追い上げを見せてくれたので、次回のレースを期待したい。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「23番手から15台抜きで素晴らしいレースを見せてくれましたが、最後の最後で接触してしまいました。若いところがでてしまいましたが、今後に期待できるレースを展開してくれたと思います。次回のレースで結果を出せるように、しっかり準備を進めて行きたいと思います」

岡島慎太郎エンジニアのコメント

「予選順位が悪くて、かなり後方からのスタートでしたが、岡山はコースレイアウト的にも狭くて抜きづらい中で、オーバーテイクもコース上でありましたし、タイヤのデグラデーションが少なかったのが大きくて、安定して走る事が出来ました。最後は追突してしまい、ペナルティを受けた結果、15位でしたが、9番手でチェッカーを受ける事が出来たのは良かったです。
セットアップ的にもバランスが良かったので挽回出来たのだと思います。他のタイヤメーカーのパフォーマンスが上がってきていて、ピークグリップについては僕たちのアドバンテージがなくなってきているので、次はしっかり予選から上位で終えて、ポジション高い位置から表彰台、優勝狙えるように改善していきたいです」

武藤英紀選手のコメント

「スタートを担当して、スティントの終盤には3-4台パスする事が出来て、木村につなぐことが出来ました。自分のスティントで言えることは、終盤のタイヤのパフォーマンスが他より落ちにくいので、一定のペースを維持する事が出来たので順位を上げる事が出来たと思います。
木村のスティントを見ていると30周以降から周りがバラつきはじめ、相対的に木村のペースが安定して順位を挽回出来たと思っています。最後の追突はもったいなかったと思いますが、スピードが足りていないのは明確なので、自分たちが出来ることをやって、何とか結果につなげたいですね」

木村偉織選手のコメント

「セカンドスティントを担当しましたが、コールドタイヤのウォームアップがうまくいかず、数台に抜かれてしまいました。挽回するのに数周かかったのがもったいなかったと思います。もっとガツガツ行ければなというのが反省点です。
その後は安定したペースで走れて、順位を上げる事が出来ました。最後の渋滞の中で大きく順位を上げるチャンスがありましたが、追突してしまいました。
完走は出来ましたが、ポイントを獲れる状況の中でこういったミスはあってはならないとわかっていたのですが、深く反省して次の富士で挽回して優勝したいです」

Round.1 / 2022