レポート Report

伊沢、野尻の快走でポールポジション、明日に向けて更なる準備

前回の富士では順位は良くなかったものの、レースの内容は非常に良かったのでチームの雰囲気は良い。さらに4月の鈴鹿の公式テストでも良い感触を得ているのでチームの士気は非常に良い状態だ。

午前のセッションでは予選と決勝のタイヤチョイス、セットアップを進めた。4月のテストの時とはコンディションが違うものの、好調さは続いているようで4番手でセッションを終えた。チームは予選に向けてセットを微調整して、Q1を伊沢拓也に託した。

伊沢はコースインし、午前のトップタイムを1秒以上上回りコースレコードを記録する44秒台を叩き出した。トップでQ1を終え、野尻智紀につないだ。

野尻はポールポジションの期待がかかる大きなプレッシャーの中、アタックに入っていった。1コーナーをアクセル全開で入っていったようにも見える勢いは野尻の気迫を感じさせた。野尻は何度かミスをした、と言っていたものの、44秒3という素晴らしいタイムを記録し見事ポールポジションを決めた。


鈴木亜久里監督のコメント

「伊沢も野尻も素晴らしいアタックだったね。確かに調子は良かったけど、こんなに凄いタイムが出るとは思わなかったね。チームも素晴らしい仕事をしてくれたし、ブリヂストンタイヤのパフォーマンスにも感謝だね。でも大事なのは明日。ライバル達も僅差で迫ってきているし、ワンミスで順位が変わっちゃうので、気が抜けないレースになるね。明日は見どころが沢山あるレースになると思うけど、勝てるように素晴らしいレースをお見せしたいと思います」

星学文エンジニアのコメント

「朝から調子が良かったですし、コンディションも合っていたので、タイムが出たと思います。前回の富士のレースと今朝のセッションで手応えはあったので、戦える感じはしていました。Q1は伊沢が予定通りトップで戻ってきてくれましたし、その後野尻がポールを決めてくれたので良かったです。明日はデータを見直して、勝てるように準備したいです」

野尻智紀選手のコメント

「Q1で伊沢さんが素晴らしいタイムを出して戻ってきたので、車の状態は良いと思っていました。車が良いと確信出来ていたので、あとは自分がキッチリ走るだけでしたが、多少力んだところもありミスもしてしまいました。しかし、何とか車を前に進めながら良いタイムを出す事が出来ました。明日が大事なので、気を抜かずに準備したいと思います」

伊沢拓也選手のコメント

「Q1もQ2も凄いタイムでポールを獲れましたし、そのためにしっかり車を準備してきましたが、全て計算通りに行ったのが大きかったと思います。移籍して3戦目でこういう結果が出せたのは非常に嬉しく思いますが、大事なのは明日なので、気を引き締めて明日の準備をしたいと思います」

相性の悪い鈴鹿で渾身のアタックをするもQ2に届かず

相性の良い富士をポールトゥウィンで終えたARTA BMW M6 GT3だが、ハンディウェイトが52kgになった事に加え、ここ鈴鹿ではBMWにとってBOPが不利な条件だ。毎年ここ鈴鹿では苦戦していて、ミスターパーフェクトの高木真一を持ってしても予選上位に進出するのが難しいほどだ。しかし、チームは1点でも多くポイントを獲得すべく、この鈴鹿に乗り込んだ。

午前のセッションはタイヤのチョイスとパフォーマンス向上の為のセットアップを進めた。バランスは良さそうだが、Q1を突破するにはもう少しタイムアップが必要だ。

高木はQ1突破を懸けてアタックに入っていった。自身が「寿命が5年縮んだ」というように、高速コーナーでは飛び出してもおかしくないスピードで駆け抜けて行った。午前のタイムは大幅に削ったものの、20番手で悔しくもQ1突破はならなかった。

決勝のセットアップでの走行は悪く無さそうなので、明日はポイント獲得を目指して戦いたい。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「毎年この鈴鹿はBMWにとっては厳しいけど、チームもドライバーも最高のパフォーマンスを示してくれたね。順位は良くないけど、我々にとっては良い仕事が出来たと思っている。明日は何とかポイントを獲りたいね」

安藤博之エンジニアのコメント

「2016-17年と、ここ鈴鹿では苦戦していますが、富士で高速コーナーでの良いセットアップが見つかったので、それが良い方向に出ると思っていましたが、トータルで見ると他車に対してアドバンテージを築く事が出来ませんでした。昨年より進化はしているんですけど、他車の伸びしろの方が大きかったのかも知れません。しかし、昨年の2ndスティントは良かったですし、レースのセットも悪く無さそうなので、明日はポイントを獲得出来るようにしたいですね」

高木真一選手のコメント

「ベストを尽くしました。セットアップはだいぶ良くて、今までに無いくらい良い状態だと思います。コーナリングスピードもJAF-GTに対抗出来るほどパフォーマンスが上がってきていると感じています。タイム自体は理想的なタイムが出ました、やはりこのM6は鈴鹿との相性の良くないところが少し出ちゃったのかな?と思いました。決勝の見通しは良いと思っているので、ポイントを獲れるように準備したいです」

ショーン・ウォーキンショー選手のコメント

「予選は走れなかったけど、決勝でのタイヤのマッチングは良さそうなので、何とかポイントを獲得出来るように走りたいです」

ドライバーが、チームが、集中力を切らさず勝ち取った価値ある勝利

快晴に恵まれた鈴鹿サーキットだが、決勝前のウォームアップ走行は計時システムのトラブルにより40分ディレイになってしまった。それに伴いスタートも遅れたが、いつもならスタート前の慌ただしいイベントに追われているドライバーは、逆に集中力を高める時間を得る事が出来た。

今回のスタートドライバーは伊沢拓也。伊沢は序盤に後続との差を出来るだけ広げる事を目標にしていたが、上手くスタートを決め言葉通り1周目から後続車との差を広げていく。12周目には2番手に約10秒の差をつけてトップを快走。しかし、他車のコースアウトにより13周目にセーフティーカーが入ってしまい、10秒のリードが無くなってしまう。

18周目に再スタートが切られたが、伊沢は最初のスタート同様、上手くスタートを決めて後続を引き離していく。しかし、またコースアウトする車両が出たので、24周目にピットインし、野尻智紀に交代する。

ピット作業はミスなく、野尻をコースに送り出した。野尻はタイヤを暖めながら最初からプッシュしていく。29周目には全ての車両がピットインを終え、トップに返り咲いたが、ペースを上げてきた100号車と激しいデッドヒートを繰り広げていく。

ペースはほぼ同じだが、バックマーカーの処理が勝負の鍵になっていく。野尻は慎重にバックマーカーを処理して順位をキープし、そのままトップでチェッカーを受け今季初優勝を飾った。


鈴木亜久里監督のコメント

「レース前はブッチギリで勝つと公言していたんだけど、勝ててホッとしています。最初はマージンを築いていたのにSCは入るし、何があるか分からない中で、ドライバーもチームも集中力を切らす事無く、最後まで戦い抜いてくれたのが大きかったね。次も上位でレースが出来るように今から準備します」

星学文エンジニアのコメント

「昨日から調子は良かったので、今日に向けて微調整しました。ウォームアップも良かったので、タイヤが持ってくれれば勝てる自信がありました。途中SCが入ってしまったのでルーティンのピットインをしましたが、結果的には良いタイミングで入れたと思っています。ウェイトが少なかったというのもありますが、タイヤが今週は凄く良かったので、次につなげられるレースが出来たと思います」

野尻智紀選手のコメント

「前半はSCが入るなど、混乱がありましたが、伊沢さんが素晴らしい集中力でトップをキープしていたので、ボクも気が引き締まりました。絶対にトップは譲らないという強い気持ちで最後まで走り切る事が出来ました。今まで積み上げてきた事が実を結んだ結果だと思いますが、次のレースに向けて準備していきたいです」

伊沢拓也選手のコメント

「序盤からペースも良くて後続車を引き離す事が出来ましたが、途中セーフティーカーが入ってしまい、築いたマージンが無くなってしまいました。しかし、車の調子は良かったので集中力を切らさずに再スタートを待っていました。再スタートも上手く出来て、徐々に後続を離す事も出来ましたが、イエローが入ったタイミングで野尻に代わりました。野尻は完璧な仕事でトップを譲ることなく、優勝に導いてくれました。この好調さを維持して次のレースも戦っていきたいです」

ポイント目指して無理するも、二人の健闘かなわず

計時システムのトラブルにより40分ディレイになったが、ドライバーはこの間にコンセントレーションを高め、レースに挑んだ。

スタートドライバーはショーン・ウォーキンショー。ショーンは慎重にスタートし、2周目までにひとつポジションを上げる事に成功した。ペースは良く、11周目には18番手までポジションアップ。しかし、500クラスの車両のコースアウトにより、12周目にセーフティーカーが入った。同じタイミングで300クラスの車両もコースアウトし、順位をひとつ上げた。

再スタートが切られてからすぐに他車は続々とルーティンのピットインを行い、ショーンは11番手まで順位を上げたが、他車とタイミングをずらして19周目にルーティンのピットインを行い、高木真一に後半を託した。

高木は23番手でコースに復帰。高木はトラフィックの中で、1周毎に順位を入れ替えながらペースを上げられずにいた。終盤、燃料が軽くなってきてから操縦性が向上し、高木は予選のポジションまで順位を回復した。

しかし、ここから順位を上げる事は難しく、20位でレースを終えた。次回はM6と相性が良いブリーラムのレースでは再び優勝を目指す。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「BOP的に難しいレースでしたが、チームやドライバーはノーミスで素晴らしいレースをしてくれたね。次のタイと富士でやり返しますよ!」

安藤博之エンジニアのコメント

「昨日のセットより改善して行ったのですが、なかなかペースを上げる事が出来ませんでした。M6は16年、17年と苦戦していますが、このコースは車に合ってないのかな?と思ってしまいます。しかし、次のタイと富士は相性が良く結果も出ているので、次に向けて準備したいです」

高木真一選手のコメント

「タイヤ無交換も考えたのですが、フロントだけ交換する作戦にしました。ちょっとギャンブルではありましたが、バランスが取れなくてコントロールに苦労しました。何とか1ポイントでも獲ろうとして無理したのが裏目に出てしまいました。他車と比べてどこが劣っているかわかったので、次につなげていきたいです」

ショーン・ウォーキンショー選手のコメント

「とてもタフなレースでした。我々はいつものように精一杯戦っていたが、BOP的に厳しかったと言わざるを得ないレースだったと思います。しかし、次のタイは相性が良いので、次に向けて頑張りたいです」