ARTAの熱き戦いの瞬間や魅力を、オフィシャルフォトグラファー宮田正和氏が撮影した膨大な写真から、宮田氏自らが厳選した写真でお届けするオンラインギャラリーです。
その中から、まず最初に「匠の一枚」と題した究極の一枚をディティールと共にお楽しみください。
「目を閉じて開けたら、レースが終わっていたらいいのになあ...」
予選Q1でコースレコードを更新した伊沢拓也が呟いた。
その伊沢のタイムを上回るタイムでポールポジションを獲得した野尻智紀が「ホントそうですよね!」と同意する。
チームスタッフと一緒に向かった決勝前夜の食事の席でのことだった。
ポールからスタートするなんて、明日の決勝レースはきっと楽しみなんだろうと勝手に想像していた僕にはその言葉は意外でもあった。
その決勝レース直前、計測機器の故障でスタート時刻が遅れた。
一度高めたモチベーションを保つのが難しい状況の中で、前週のスーパーフォーミュラでポールポジションを取りながら天候不良で中止になったレースのことを引き合いに出され、周囲から「また中止?」「野尻のせい?」と茶化されても冗談混じりに「俺?」と自身を指差しおどけて見せていた。
しかしその表情が一変したのは新しいスタート時間が発表された瞬間だった。
まさにスイッチが入ったこの表情は撮影していた僕が圧倒されるほど険しく、ドキッとさせられた。それと同時に不思議だが勝てる!と確信めいたものを感じた。
そしてスタートから伊沢が守ったトップのポジションでドライバー交代をすると、100号車との激しいバトルを制し見事に今シーズン初優勝。
不安と自信が入り混じるレース直前、「絶対に…」という強い意志がその眼差しには込められていた。
BODY | Canon EOS-1DX Mark II |
LENS | SIGMA 120-300mm F2.8 DG OS HSM |
SP | 1/125 |
F | 2.8 |
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