レポート Report

セットは完璧では無かったが8番手

開幕戦の岡山では、ポールポジションを獲りながらスタートを切ることが出来なかったが、再びポールポジションを獲得すべくチームは富士に乗り込んだ。しかしながら、走り始めからリアのグリップ不足に悩み、改善されるまでに時間を要してしまった。

満足できる範囲では無かったが、車のバランスは予選前までにある程度改善され、野尻がQ1のアタックに入っていった。野尻はまだ不安定な車をコントロールし、5番手でQ1を突破して見せた。

続いてQ2は小林。小林は開幕戦で予選を走っていないので、500クラスの予選を走るのは久しぶりだった。その予選の感覚に慣れていなかったという小林は満足のいくアタックが出来ず8番手でQ2を終えたが、午前のセッションで満足に走れていなかった事を考慮すれば、まずまずのパフォーマンスを出せたと言えるだろう。

明日は長距離のレースになるので最後まで走り切り、ポイントを獲得したい。


鈴木亜久里監督のコメント

「午前のセッションではバランスが悪かったけど、ドライバー、エンジニア、メカニックが頑張ってくれたおかげで予選では良いパフォーマンスを見せてくれたね。明日は長いレースになるけど、まずはトラブルに巻き込まれず、最後までキッチリ走り切りたいね。好調なレクサス勢に離されずに走る事が出来れば、良い結果が望めるんじゃないかな。集中力を切らさずに何とか食らいついていきたいね」

星学文エンジニアのコメント

「岡山では予選が良かったので、岡山のセットとシーズンオフの富士のテストの結果を合わせたセットで走り出しました。自分達が狙っていたところよりもオーバーステアの傾向が強かったのでアジャストしていきました。セッション終盤には許容範囲内にまで到達しましたが、リアが軽いフィーリングがあるので、Q1までにセットを見直しました。野尻は午前の問題は残っていたんですが、野尻の頑張りで何とかQ1を突破出来たと思います。まだ症状が残っているのをセットで修正して小林にQ2を託しましたが、まだ症状が治りきっていないので明日までに再度見直したいと思います。明日はレクサス勢が速いのはわかっているので、離されないように戦略も含め準備していきたいです」

野尻智紀選手のコメント

「午前のセッションはリアのグリップ不足に苦しみましたが、予選に向けては思い切ったセット変更を実施しました。思い切った変更とは言っても、把握出来ている範囲での変更だったので、それが良い方向へ向かいQ1を突破出来たと思います。ホンダの中ではトップを獲る事が出来ましたが、まだまだ課題をクリア出来ている訳ではないので、ひとつずつ解決していき明日までに準備したいと思います」

小林崇志選手のコメント

「前回まともにアタック出来ず、今シーズン初めての予選アタックになりました。自分自身乗り切れていない部分もあり、このような結果につながってしまったと思っています。そこは残念な気持ちと申し訳ない気持ちですが、明日はレースも長いので集中力を切らさず、最後まできっちり走って挽回したいと思います」

二人のセットは違うがQ2進出9番手

午前のセッションは高木が主にタイヤの比較を行い、予選のセットを進めていった。ウォーキンショーは富士での走行が少なかったので、慣熟走行とセットアップを詰めていった。途中、赤旗でセッションが中断してしまい、予定していたメニューを消化しきれずセッションを終えた。

予選はウォーキンショーにQ1を行かせたかったが、確実にQ1を突破する為に高木がアタックをする事になった。硬めのタイヤだったので、高木は入念に熱を入れて4周目にアタックに入った。Q1を突破するには十分なタイムが出たので、タイヤを温存する為にアタックをそこで終了した。

続いてQ2はウォーキンショーがアタック。午前のセッションで満足出来るタイムが出せていなかったウォーキンショーは、Q2では午前のセッションのタイムを上回る事に成功し、9番手で予選を終えた。

車のバランスは向上しているので、明日のレースでは開幕戦のような追い上げを見てもらいたい。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「岡山に比べると予選が良かったのでホッとしています。車のバランスも良いので、明日は表彰台に登れるんじゃないかな、という希望的観測は持っています。しかし、しっかりと戦略を組んで明日に備えたいですね」

安藤博之エンジニアのコメント

「午前のセッションは高木さんにコンパウンドの比較をしてもらい予選のタイヤをチョイスしました。次にウォーキンショーには長めに乗ってもらい、セットアップを進めようと思いましたが、赤旗で中断になってしまい予定していた周回数を走れませんでした。予選は二人のタイムを比較して、Q1は高木さんに行ってもらう事にしました。Q1は問題なく8番手で突破出来ました。Q2はウォーキンショーのドライビングスタイルに合わせてセット変更をしてアタックしてもらいました。何とか9番手のタイムを出す事が出来たので、良かったです。明日は戦略とセットアップを見直して上位を狙いたいです」

高木真一選手のコメント

「午前中は昨年のセットやタイヤの比較をしながら進めました。今回はタイヤが硬めで気温も低めだったので、昨年のここの予選よりは若干タイムがドロップすると思います。予選は4周目で熱が入ったので、アタックしました。もっとタイムを縮める事が出来そうでしたが、Q1突破が確実になったのでそこでアタックを終了しました。Q2に向けてショーンはボクと乗り方が違うので、彼の乗り方に合わせてセットを変えてもらいました。データロガーも全てチェック出来てないので、ショーンに合ったセットをもう少し勉強して、高いレベルで二人が良いタイムを出せるようにしたいです。レースに向けてはサファリの時に良いセットが見つかったので、明日は少しずつポジションを上げていけるように頑張ります」

ショーン・ウォーキンショー選手のコメント

「午前は車のセットが決まっていませんでしたが、徐々に良くなってきました。予選では6番手の車と大きな差が無かったので、そのくらいのポジションまで行きたかったです。決勝に向けてはバランスが向上しているので、良いレースが出来ると思っています」

ポイント獲得も上位との差が課題

五月晴れに恵まれた富士スピードウェイだったが、この季節にしては肌寒い中でレースのスタートが切られた。スタートドライバーは野尻智紀。序盤は9番手でレースを展開していったが、10周を過ぎたあたりからボンネットが浮いてしまうトラブルが発生してしまった。

野尻は無線でトラブルを報告してきたが、大きく浮く事が無かったのでそのまま走行を続けた。野尻は安定したペースで周回を重ね、27周目にルーティンのピットインを行った。

ここでボンネットの修理を行い小林崇志にバトンを渡した。小林は14番手でコースに復帰し、他車のピットインもあり、38周目までには9番手まで順位を挽回した。しかし、40周あたりからピックアップがあり、ペースが落ち込んだが、すぐにピックアップはなくなり、速いペースで周回を重ねていった。

50周を過ぎたあたりからバランスも向上したが、前車との差は徐々に縮めていったものの、順位を上げるには至らなかった。67周目にルーティンのピットインを行い、最後のスティントを野尻に託した。

野尻は10周後には元の順位に戻り、ラストスパートに賭けた。燃料が軽くなるとともにペースを上げて行ったが、わずかに及ばず9位でレースを終えた。今季初完走で貴重なポイントを獲得する事が出来た。


鈴木亜久里監督のコメント

「ペース自体はそれほど悪くは無かったけど、全体的なレベルがまだ低いね。トラブル無く最後まで走りきって、ポイントを獲得出来たのは良かったけど、もっとレベルアップして、次のレースはもう少し上のポジションでレース展開出来るようにしたいね。そうすれば表彰台も見えてくるので、次のオートポリスまでには改善したいね」

星学文エンジニアのコメント

「予選のポジションが良かったので確実にポイントを獲れるように昨日からの問題点を洗い出し、セットアップに変更も加えました。レースのペースでは同じメーカー内でも差があるのでそこはセットアップで改善の余地があると思いました。しかし、レクサス勢との差はまだ大きいので、あらゆる面で改善していかなければならないと思っています。セカンドスティントでは序盤タイヤの状態が良くなかったので、検証して次までに対策を考えます」

野尻智紀選手のコメント

「最初のスティントで前の車両に詰まってしまったり、ボンネットが浮いてしまうトラブルが出てしまい、それがどの程度車のバランスに影響しているか分かりませんでしたが、ファーストスティントとサードスティントでは車のバランスが結構違っていました。そうは言っても、もう少しファーストスティントで自分なりに何とかしなければならなかったという反省点はあります。また、今回小林さんと組んで初めてレースを走り切る事が出来ましたが、お互いレースになって初めてドライビングの違いなども明らかになってきたので、ドライバーとしてもチームとしても課題が見えてきたと思います。次回のオートポリスまでには準備をしていきたいです」

小林崇志選手のコメント

「ファーストスティントの時は野尻選手の前に遅い車がいたので、それを抜ければいいペースで走れると考えていました。その車はピット作業で抜くことが出来たのですが、ボクのスティントになったらあまりペースが上がらず、抜かれてしまいました。スティントの序盤はピックアップに苦しみ、そこで前車との差を広げられてしまいました。その後はピックアップの問題も解消し、ペースを上げる事が出来たのですが、そこで差をつけられてしまったことが非常に残念でした。全体的にまだ足りない部分が多かったのですが、最後までレースを走りきれたので、次のレースに向けて良い準備が出来たと思います」

ペースは良かったが不運に見舞われポイント獲れず

500kmの長距離レースでは、戦略をフレキシブルに組めるようにチームは硬めのタイヤをチョイスした。思ったより気温が低かったので、ウォームアップ走行でセットの微調整をしてレースに挑んだ。

スタートは高木真一。高木はスタートでひとつポジションを上げて7番手でレースを展開していった。しかし、9周目に2台後ろを走っていた車が止まりきれず、55号車に追突してきた。大きなダメージは無かったが、高木は無線でバランスが崩れたと訴えてきた。そこで順位を10番手まで落としてしまう。

ペースが落ち込んでしまったが、高木はバランスの崩れた車の乗り方を変えてペースを元に戻し、23周目にはひとつポジションを上げた。他車のルーティンのピットインもあり、37周目にショーン・ウォーキンショー選手に変わるまでに4番手までポジションを上げた。

しかし、このピットインで燃料補給装置にトラブルが発生してしまい、満足な給油が出来なかった。更にそれが原因で作業ミスがあり、ショーンはピットアウト後にドライブスルーペナルティを受けてしまった。ここで順位を19番手まで落としてしまった。

ショーンはここでトップグループと同等の速いラップタイムを刻み、前車を追いかけたが、ピットインで満足な給油が出来ていなかったので、60周目に再度ピットインする事になってしまった。ここで順位を22番手まで落としてしまったが、ショーンは諦める事無く、速いペースで周回を重ねた。

77周目に最後のピットインを行い、高木に交代。17番手まで順位を上げたものの、ポイント圏内には届かなかった。

レース前は車の仕上がりも良く、表彰台も狙える手応えがあっただけに非常に残念な結果になってしまったが、8月の富士に向けて貴重なデータを得る事が出来た。


土屋圭市アドバイザーのコメント

「車もドライバーも速かっただけに凄く悔しいね。今回は運がなかったね」

安藤博之エンジニアのコメント

「給油装置にトラブルが出てしまったり、作業違反でペナルティを受けてしまい勝負権を失ってしまいました。トラブルの原因はこれから検証しますが、車のバランスは非常に良かったので残念です。しかし、8月にもここでレースがあるので、良いデータを得られたと思います」

高木真一選手のコメント

「ウォームアップでセットを変えたのですが、それが非常に良くてペースも良かったと思います。長距離のレースなので作戦としては終盤に勝負する予定で、序盤は焦らず7番手でレースを展開する事が出来ました。しかし、後方の車が止まりきれず追突されてしまったので、そこからバランスも狂い、1秒ほどペースも落ちてしまいました。しかし、何とか乗り方を工夫して走ったらペースを取り戻す事が出来たので、何とかポイントを獲りたいと思って走っていました。それから給油装置のトラブルがあってレースを上手く運ぶ事が出来ませんでしたが、その後はタイヤの使い方など色々と試す事が出来たので次の富士や長距離のレースの準備が出来たと思います」

ショーン・ウォーキンショー選手のコメント

「ラップタイムは非常に良くて、上位を狙えるほどペースが良かったけど、ペナルティを受けてしまったり、給油装置のトラブルで満足にレースが出来なかったのは残念でした。しかし、8月の富士のレースに向けて非常に良いデータを得る事が出来たので、また気持ちを切り替えて頑張ります」